東畑精一関係資料について
東畑精一博士は明治32年三重県一志郡豊地村(嬉野町)に生まれ、三重県立第一中学から第八高等学校を経て、大正11年に東京大学農学部を卒業した。アメリカ、ドイツへ留学し、主としてボン大学でシュンぺーターに師事した。
大正13年に東京大学助教授、昭和8年に東京大学教授となり、農業経済学の体系化に務めたほか、政界・財界とのつながりも深く、農林漁業基本問題調査会や農政審議会の会長として、戦後農政や農業基本法の制定に大きな役割を果たした。また、多くの公務や要職を歴任、昭和39年学士院会員、昭和55年には文化勲章を受章した。
本県への関わりとしては、三重県社会経済研究センターの設立などが挙げられる。
東畑精一関係資料には、このような生前の業績、戦後の日本経済や農政を知る上で極めて貴重な資料が含まれている(資料の内容については、当館発行の『三重県立図書館紀要』2・3号(1996年・1997年)の森川氏の論文に詳しく紹介されているので、こちらをご参照いただきたい。)。
次に、これらの資料が当館で所蔵されるに至った経緯について述べると、当初は、農業関係者をはじめ、多くの県民に活用されることを望まれた遺族により、農業技術センターに寄贈され、センター内に建設された東畑記念館に保管されていた。
しかしながら、これらの資料の学問的・研究資料的価値を鑑み、また、寄贈者である東畑家及び遺族の意志に応えるためにも、多くの人々がより利用しやすい環境や施設で、保管・整理されるべきとの考えにより、平成6年10月の新県立図書館の開館を機に保管転換することが決定されたのである。
その後、平成7年度の資料調査を経て、平成8年度に当館へ搬入され、整理を行ってきた。
この目録は、当館での資料の配架順を示すリストをそのまま打ち出し、一部を加工したものである。このため、利用に不便な目録となったことは否めないが、多くの方に資料をご利用いただくことを願い、あえてこの状態で発行することとなった。今後は、索引等を作成し、より使用しやすいものにしていくことが課題となっている。
凡例
- 原稿は、東畑精一博士自身の原稿、講演記録、その他の原稿の順に並べた。
- シュンペーター関連資料には、手書きの原稿の他に書簡等も含まれている。
- 書簡は差出人の五十音順に並べた。発信年月日は書簡本文、日付のないものは消印によった。
- 和図書は分類毎に著者の五十音順に並べ、著者不明のものについては先頭に並べた。ただし編集上、分類の項目を削除したため、みかけ上順番が前後しているところがある。
- 抜刷は日本語で書かれた論文を対象に、著者の五十音順に並べた。
- 洋図書は分類毎に著者のアルファベット順に並べた。
- 外国語で書かれた論文など、洋図書に含まれない資料はすべてその他の資料とした。
- 和雑誌はタイトルの五十音順に、洋雑誌はタイトルのアルファベット順に並べた。
目録
特別資料
和図書
0. 総記
1. 哲学
2. 歴史
3. 社会科学
- 30-32. 社会科学・政治・法律
- 33. 経済
- 330-332. 経済、経済学・思想、経済史・事情
- 333. 経済政策、国際経済
- 334. 人口、土地、資源
- 335. 企業、経営
- 336. 経営管理
- 337. 貨幣、通貨
- 338・339. 金融、銀行、信託、保険
- 34. 財政
- 35. 統計
- 36. 社会
- 37-39. 教育、風俗習慣、民俗学、国防、軍事
4. 自然科学
5. 技術
6. 産業
- 60-610. 産業、農業
- 611. 農業経済・行政・経営 1-20
- 611. 農業経済・行政・経営 21-38
- 612-619. 農業史・事情、農業基礎学、農業工学、作物栽培. 作物学、農産製造
- 62-65. 園芸、養蚕業、畜産業、林業
- 66. 水産業
- 67. 商業
- 68-69. 運輸、交通、通信事業
7. 芸術
8. 言語
9. 文学
論文抜刷など(和文献)
洋図書
その他の資料(洋文献)
逐次刊行物
参考資料
この目録は平成12年3月当館が発行した「東畑精一関係資料目録」をそのまま掲載したものです。ただし、一部の分類においては、利用上の便宜を図るため、より詳しくなっています。
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