昭和23年以降の著書で、図書目録著書の部と重複する図書に関しては割愛した
〔・:初出作品名 、○:書名〕

明治44年 1911年

三重県四日市市東富田宮町に父左衛士、母明世の次男として生まれた。
本籍地は徴兵検査まで高知県であった。父は高知の人で、明治32年から大正12年まで旧制富田中学校の校長であった。

昭和4年 1929年 18歳

3月、県立富田中学卒業 中学時代は剣道部主将であった。
4月、第二早稲田高等学院に入学。河田誠一と知り合い文学活動に入る。
又、早稲田演劇研究会に所属、当時傾きかけていた新国劇を一年ほど応援出演す。

昭和5年 1930年 19歳

河田等と同人誌「東京派」を創刊。
東京派同人
秋田滋・大島博光等
大学祭仏語科の出し物に菊地寛作「入れ札」を上演し、国定忠治を演ず。

12月

書名 発行所
挑戦 東京派1
意識の流れ統制論 東京派2
戦争来 東京派2

昭和6年 1931年 20歳

早稲田大学仏文科入学
中河与一の「新科学的文芸」に井上友一郎とともに迎えられる。

4月

書名 発行所
神話主義の面貌及ぴその方法論 詩と詩論11
露西亜演劇の生命(共訳) 新文学研究2
文学 東京派
仏蘭西の新しい雑誌 東京派

5月

書名 発行所
今日の文学

6月

書名 発行所
新しきグルウプの精神と行動-東京派のマニエエル 詩と詩論12号
私は推薦する 近代生活

7月

書名 発行所
ジョイスの対象と方法 三田文学

9月

書名 発行所
形態 詩と詩論
音叉 今日の詩
飢餓 今日の文学

10月

書名 発行所
新文学の展望-ジョイスの対象と方法 WORK IN PROGERSSについて 新文学研究2

12月

書名 発行所
小説の血路と神話主義的思考 詩と詩論
反価値の価値 新科学的
病気 東京派

昭和7年 1932年 21歳

住所 東京市淀橋区諏訪町

1月

書名 発行所
鉄兜の下の習性 近代生活
形態「年刊小説1932」版 厚生閣書店
無帽行 季刊小説
火酒 クオータリー

2月

書名 発行所
成長記 クオータリー
新ロマン論 新科学的
ジュリエットの正面 近代生活
新しきロマンの出発 今日の文学

3月

書名 発行所
新ロマン論 文学
新しい人間の姿勢-中河与一著「海路歴程」 文学

4月

書名 発行所
松風 新科学的

5月

書名 発行所
滝の模様 ロマン
再ぴ新ロマンとついて ロマン
赤い天幕 クオータリー
旗窓一郎 新科学的

6月

書名 発行所
凄絶な風呂 文学
スタイルに就いて-私の手帖より 文学
光る埋葬 季刊小説

7月

書名 発行所
今日のロマン論の意義 新科学的
羽根の話 ヌウベル
物体との格闘 マダム ブランシュ
明日のモラルとスタイル 国語教育

9月

書名 発行所
横光利一氏の一面 クオータリー

10月

書名 発行所
ダヴィンチ雑感 新科学的

昭和8年 1933年 22歳

5月 井上友一郎、坂ロ安吾等と同人誌「桜」創刊
「桜」同人
坂口安吾・井上友一郎・菱山修三・真杉静枝・矢田津世子・北原武夫・河田誠一・大島博光・高見沢滴江

1月

書名 発行所
今日のモラルの問題 作品

2月

書名 発行所
新科学的の思ひ出 新科学的

3月

書名 発行所
病める孔雀 文学

5月

書名 発行所
をろち(連載)未完
レアリズムの二つの型
新人奮起の時 今日の文学

9月

書名 発行所
どんな批評家が必要か 文芸春秋

10月

書名 発行所
純文学の弱点 三田文学

昭和9年 1934年 23歳

早稲田大学仏文科卒業
卒論「ポールヴァレリーの思考に於ける能力の規約について」
この夏、吉行エイスケ(吉行淳之介父)の紹介状を持ち上海に遊ぶ。
また、「若草」「令女界」の読者大会に丹羽文雄・井上友一郎・大木惇夫・藤浦洸・鈴木信太郎・永島一朗・北村秀雄・横山隆らと講師として関西に行く。
以後このメンバーで「ストーム会」を結成し、戦後に至るまで親交を深めた。

1月

書名 発行所
文学再建の精神
偉大なる印象 今日の文学
現代文学の要望と方法について 三田文学

2月

書名 発行所
人間性と歴史的意義 行動

4月

書名 発行所
文章とモラル 日本現代文章講座3 厚生閣書店
ヒマラヤ登り 行動
選手 新潮

5月

書名 発行所
中河与一の文章 日本現代文章講座8 厚生閣書店
若き日の葛西氏の芸術について 浪漫古典
緊迫した感情 文芸通信

6月

書名 発行所
同人誌における長編小説への野心 「をろち」の作者として 文学界 創刊号

7月

書名 発行所
春山行夫の批評について 行動

8月

書名 発行所
コンスクンの「アドルフ」について 作品
日月潭工事 行動
私小説とリアリズムの遊離 新潮

9月

書名 発行所
小林秀雄氏へ 行動

11月

書名 発行所
上海の印象 行動
わが文学の主義主張-現代文学に関連して 新潮

12月

書名 発行所
ゴルフ 翰林

昭和10年 1935年 24歳

「三田文学」時評担当となる。

1月

書名 発行所
恋愛 新潮
人間性の意欲的展開 三田文学
憤慨する 喫茶街

2月

書名 発行所
作家生活革新座談会 行動
文学と俗物性の問題 三田文学
ソヴィエット大使館訪問記 セルパン

3月

書名 発行所
再ぴ俗物性の問題 三田文学
「能動主義」「新浪漫主義」に就いての解釈あるいは意見 アンケート 文芸通信
暗雲の下 早稲田文学
行動主義批判座談会 翰林
行動
現代文学における意欲の根底 「能動精神パンフレット」収録 紀伊国屋出版
昭和絵巻 新潮

6月

書名 発行所
けしかけられた男 翰林
7月
初夏水のハイキング-ルポルタージュ-水の上で 行動

8月

書名 発行所
新文学のための座談会 行動

9月

書名 発行所
嬉しかったこと、楽しかったこと、□惜しかったこと、癪にさわったこと 文芸通信
悪魔の観念について 作品

11月

書名 発行所
膿の流れ 早稲田文学

昭和11年 1936年 25歳

住所 淀橋区東大久保
この年度の「文芸年鑑」に始めて名が載る。
12月、「人民文庫」グループで徳田秋声研究会を開き検挙される。
「人民文庫」同人
武田麟太郎高見順本庄陸男荒木巍新田潤円地文子田宮寅彦渋川驍立野信之井上友一郎石光葆金子光晴 等

1月

書名 発行所
作家としての心構え、覚書 アンケート 新潮

4月

書名 発行所
菊岡久利第一詩集「貧時行」読後感 翰林

5月

書名 発行所
牧野信一氏の死 人民文庫

6月

書名 発行所
自殺と恋愛の諸相一公式論は有り難くない 人民文庫
中河与一氏について 作品
行動主義文学の再出発に向けて-偽りない気持ち 行動文学(創刊号)

7月

書名 発行所
大学(12年新年号迄連載) 人民文庫

8月

書名 発行所
汚れた雪 明朗

9月

書名 発行所
いき 若草
市井談義「恋愛の示威防空演習と防護団員」 人民文庫

10月

書名 発行所
夜更けの遊ぴ 作品
第3回芥川賞受賞作品「コシャマイン記」「城外」に寄す アンケート 文芸通信

12月

書名 発行所
「故旧忘れ得べき」と「女体」 行動文学

昭和12年 1937年 26歳

1月

書名 発行所
新春一家言-わが紋章 人民文庫

3月

書名 発行所
市井談義「獄舎に響く君が代の合唱」 人民文庫

4月

書名 発行所
鶴の味 人民文庫

7月

書名 発行所
作品
今日の感想 早稲田文学

10月

書名 発行所
夏の日記 早稲田文学

12月

書名 発行所
市井談義「二つの風景」 人民文庫
大学の広場「学生生活短編集」収録 矢の倉書店

昭和13年 1938年 27歳

夏、中国大陸へ旅行
10月5日、父左衛士逝く

7月

書名 発行所
松花江 都新聞
松花江 人民文庫

11月

書名 発行所
熱河 作品
秘境熱河(思い出の街に) スタイル

昭和14年 1939年 28歳

住所 世田谷区北沢一丁目
母上京、同居を始める。
1月、大陸開拓文芸懇話会が設立され、会員となる。
6月、大陸開拓文芸懇話会の一員として伊藤整福田清人等と大陸に渡る。
この時、満映女優李香蘭と知り合い、その後長く友情を保ち続けることとなる。

1月

書名 発行所
文体

2月

書名 発行所
大陸と知識人の問題 都新聞

6月

書名 発行所
現地通信 読売新聞

8月

書名 発行所
夢殿 文学者
最近文学の諸傾向(座談会) 文学者

11月

書名 発行所
○大学(装丁 海老原喜之助) 東亜公論社
○少女 赤塚書房

昭和15年 1940年 29歳

住所:淀橋区諏訪町82 諏訪森ホテル
5月、陸軍に応召。三重県久居三十三連隊で三ヵ月の教育訓練を受ける。
11月、再招集を受け、中国山西省遼県に出征。
その後、敗戦まで中国大陸を転戦。
戦地では幹部候補生試験を受けず、一兵卒のまま過ごし、軍曹で敗戦を迎えた。
又、宣撫班として中国人民とも深く係わった。これらの経験が、「肉体の悪魔」「春婦伝」他の戦争文学の中に生かされることとなる。

1月

書名 発行所
風呂屋の小鳥 文学者

2月

書名 発行所
福田清人氏の「大陸開拓」書評 作品

3月

書名 発行所
春の話「短編四十人集」に収録 厚生閣

4月

書名 発行所
文芸
市井の鏡 早稲田文学

5月

書名 発行所
吉江先生の思ひ出 文学者

6月

書名 発行所
新潮

7月

書名 発行所
女の建設 文学者

11月

書名 発行所
照れぬ文学について 文学者
○強い男 昭和書房

12月

書名 発行所
集団生活の一面 文芸

昭和16年 1941年 30歳

1月

書名 発行所
○銃について(序 丹羽文雄・石川達三) 高山書院

3月

書名 発行所
輸送船にて 文学者

12月

書名 発行所
○学生の情熱(自序「昭和十六年北支前線にて) 明石書房

昭和21年 1946年 35歳

2月、中国大陸での収容所生活を経て、復員。一時期四日市の実家に住む(「肉体の悪魔」ここで執筆)も間もなく上京。作家活動を再開。
兄正衛、平田紡績宗村氏、松岡工業松岡武一郎氏の援助により資本金15万円で出版社「朝明書院」設立。

9月

書名 発行所
肉体の悪魔 世界文化

10月

書名 発行所
街の天使系譜 文明
渇く日々 饗宴

12月

書名 発行所
女しゃべる 文芸季刊

昭和22年 1947年 36歳

6月8日、立野信之夫妻の仲人で小川美好嬢と結婚。電車でのふとした出会いがきっかけであった。
新居を高円寺の借家に構える。旧制中学時代からの親友松岡氏の持ち家であった。
「肉体の門」空気座により演劇化され、大当りを取る
10月杉並区荻窪に転居

1月

書名 発行所
獣よりも強く 新女苑

2月

書名 発行所
悲歌 新女苑
情人 クラブ

3月

書名 発行所
沖縄に死す 風雪
肉体の門 群像
友情 女性ライフ
○男禁制 世界社

4月

書名 発行所
女狩りの夜 新文学
○肉体の悪魔 実業の日本社
○大学 美和書房
崩れた街にて(現代小説第一集)収録 九州書院

5月

書名 発行所
肉体が人間である 群像
○肉体の門 風雪社
○春婦伝 銀座出版

6月

書名 発行所
女王誕生 ホープ

8月

書名 発行所
銀座裏 社会

9月

書名 発行所
太行山の絵 風雪
大学の門(連載11月迄) サンデー毎日
人間夜色 オール読物

10月

書名 発行所
○肉体の門 風雪社
○有楽町夜色 林檎書房
新潮
鳩の町草話 改造
入道雲

11月

書名 発行所
○狩られる女 草野書房

12月

書名 発行所
別冊文芸春秋
不良少女 小説新潮
○獣の日 ポリゴン書房

昭和23年 1948年 37歳

長男和男誕生
肉体の門 東宝より映画化
大学の門 新東宝より映画化

1月

書名 発行所
不安な女 風雪

2月

書名 発行所
旭町界隈 日本小説
星を恋ふ男 苦楽

4月

書名 発行所
肉体と精神(花田清輝との往復書簡) 風雪
熱海夜色 モダン日本

5月

書名 発行所
肉体の悪魔(日本小説代表作全集15)収録 小山書店

6月

書名 発行所
百日紅 オール読物
朝顔 人間 別冊

7月

書名 発行所
現代詩 新潮
肉体の門(日本文芸家協会創作代表撰集1)に収録 講談社
肉塊(連載24年11月まで) 小説世界

10月

書名 発行所
青白い腕 文芸春秋
情婦 小説界
雁帰る 別冊風雪

12月

書名 発行所
不良少女 小説新潮
編集者恐怖症 モダン日本

昭和24年 1949年 38歳

住所:杉並区神明町
長女良子誕生
今日われ欲情す 東宝より映画化
不良少女 東横映画より映画化

1月

書名 発行所
新粧五人女(連載) オール読物
蓮華観音 苦楽
冬独居 群像
刺青 中央公論
白夜行路(連載) ロマンス
春の狐 読物時事
夜降る雪 月刊読売別冊
還ってきた夜 りべらる
真昼を生きる女(9月まで連載) 新文庫
東京ジャングル モダン日本

2月

書名 発行所
続肉体の門 オール小説
肉体の門 第二部 群像
女体溶けるまで にっぼん

3月

書名 発行所
将軍 芸術別冊一号
今日われ欲情す にっぽん

5月

書名 発行所
文芸放談 文芸往来
天使図 別冊文芸春秋

6月

書名 発行所
深夜の対話 風雪
女学生群(連載) 別冊文芸春秋

7月

書名 発行所
郷愁の乳房 ホープ
春婦以前 面白倶楽部
途上 新潮

8月

書名 発行所
雨の夜景 改造文芸
わが生活わが文学-肉体文学作家の生活 人間

9月

書名 発行所
避妊結婚 にっぽん

10月

書名 発行所
大島 群像
愛の構図 家庭生活
罪を知らぬ皮膚 読物街

11月

書名 発行所
象が通る夜 文学界
自然児 世界春秋
東京の門(連載)〜S25.5 タ刊読売
東京の門(連載)〜S25.5 西日本新聞夕刊
官能の流れに 読物時事

昭和25年 1950年 39歳

東京の門 東宝より映画化
春婦伝 「暁の脱走」の名で新東宝より映画化
新粧五人女 東横映画より映画化

1月

書名 発行所
命の秘図 オール読物
未亡人の部屋 風雪
クリスマスイヴ スタイル読物版
情熱山河(連載)12月号まで 講談倶楽部
東京の谷間(連載)12月号まで 月刊読売
愛情火山(連載) 婦人生活
都会の青草(連載)8月号まで 共同通信

2月

書名 発行所
龍舌蘭 小説新潮

3月

書名 発行所
女の復讐 小説公園
処女の記念日 りべらる
東京夜曲(連載)12月号まで 平凡

4月

書名 発行所
腕巻き時計 新小説
崖上の少女 別冊文芸春秋

5月

書名 発行所
鳥瞰図 新潮
火のイヴ 別冊文芸春秋

7月

書名 発行所
夜の部隊長 小説新潮
土砂降り オール読物

8月

書名 発行所
女の復讐 第二部 小説公園
マリアの宿 文芸読物別冊

9月

書名 発行所
秋の風鈴 別冊小説新潮

11月

書名 発行所
土ぼこり 中央公論

12月

書名 発行所
花園町界隈 別冊文芸春秋

昭和26年 1951年 40歳

美術評論家連盟理事に就任

1月

書名 発行所
禁断花 新潮
歌舞伎町界隈 小説新潮
情婦の火(連載)19号・20号 別冊文芸春秋
東京不夜城(連載)27年3月まで 講談倶楽部
女豹の地図(連載)12月号まで ロマンス
都会の白鳥(連載) モダンロマンス

2月

書名 発行所
三光町界隈 小説新潮

3月

書名 発行所
戦場の顔 文芸

4月

書名 発行所
熱海心中 オール読物

5月

書名 発行所
湯の町芸者 小説新潮
情熱山河・都会の青草
「傑作長編小説全集4」に収録 講談社
妖精氷結 別冊文芸春秋21

6月

書名 発行所
永遠に我愛す 婦人生活

7月

書名 発行所
私は戦後派ではない(連載)27年12迄 平凡
白いヒトデ 別冊文芸春秋22

8月

書名 発行所
野の虹 オール読物

9月

書名 発行所
焼酎を飲む女 別冊小説新潮
狂犬 別冊文芸春秋23

11月

書名 発行所
石仏と裸女 別冊文芸春秋24

昭和27年 1952年 41歳

二一ス国際ペンクラプ大会に日本代表として丸岡明等と参加。
次女友絵誕生

1月

書名 発行所
舗道の白鳥 オール読物
女剣士 小説新潮
真珠の頚飾り 別冊小説新潮
美しき暗礁(連載) ロマンス

2月

書名 発行所
消えた女 別冊文芸春秋

6月

書名 発行所
肉体文学の方向 文芸
風の足跡 小説新潮
虹を呼ぷ人(連載)28年5月まで キング

10月

書名 発行所
永遠に我愛す・私は戦後派ではない 「傑作長編小説全集18」に収録 講談社

12月

書名 発行所
巴里の門 別冊文芸春秋
白い望楼(連載) 京都新聞

昭和28年 1953年 42歳

日本文芸家協会理事に就任

2月

書名 発行所
影絵の街 別冊文芸春秋32

3月

書名 発行所
青線区域 オール読物
風のなかの都(連載)29年2月まで 婦人倶楽部

4月

書名 発行所
失われた道徳(座談会) 新日本文学

9月

書名 発行所
傷だらけの街 面白倶楽部
女の一生(連載)29年12月まで 婦人生活

10月

書名 発行所
東京の門・愛情火山・春婦伝・不良少女「現代長編名作全集13」に収録 講談社

11月

書名 発行所
荒廃の名画 文芸
土用波 別冊小説新潮
ある隣人 小説公園

昭和29年 1954年 43歳

9月13日 母明世逝く。

1月

書名 発行所
元宵節前夜 傑作倶楽部

2月

書名 発行所
女との距離 別冊文芸春秋38

3月

書名 発行所
黄土の人 群像

6月

書名 発行所
断崖の花々(連載)30年7月まで キング
天使は生きている キング増刊号

7月

書名 発行所
風のなかの都 傑作倶楽部
窖の青春 別冊文芸春秋40

8月

書名 発行所
情婦と妻 講談倶楽部
幻のTAMURA-MUSEUM-わが夢を語る- 文芸

9月

書名 発行所
裸女のいる隊列 別冊文芸春秋42

10月

書名 発行所
遠征幻想 新潮

12月

書名 発行所
蕾の季節 傑作倶楽部
老娼の死 オール読物
暗い波間 週刊朝日別冊

昭和30年 1955年 44歳

1月

書名 発行所
わかもの 改造

2月

書名 発行所
春の座席(連載)9月まで 東京タイムズ
残された肖像 小説公園

3月

書名 発行所
母の花 文芸

4月

書名 発行所
赤い帆の下で 別冊文芸春秋45
餃子時代 小説新潮

5.月

書名 発行所
青春安吾 小説新潮
夜の陸橋 オール読物

7月

書名 発行所
ある死 文芸

8月

書名 発行所
別冊文芸春秋47
ある勝負 小説新潮

9月

書名 発行所
炎の絵 小説公園

11月

書名 発行所
見知らぬ季節 小説新潮

昭和31年 1956年 45歳

7月、第28回国際ペンクラプ大会にオプザーバーとして参加のため、夫人同伴で渡欧、32年3月まで巴里に滞在。欧州を漫遊する傍ら巴里では藤田嗣治ら画家達とも交流し、自らも絵画教室に通うなどして、多くの美術作品を創作した。

1月

書名 発行所
乳母車物語 小説公園
札つき女 講談倶楽部

2月

書名 発行所
さまよう青春 キング

3月

書名 発行所
青鬼 中央公論
白い麻薬 文芸

4月

書名 発行所
流れ雛 小説新潮
菊根分 オール読物

5月

書名 発行所
地獄は薔薇でいっぱいだ(連載) 週刊サンケイ
ある死「日本文芸家協会創作代表撰集17」に収録 講談社

6月

書名 発行所
逃げた魚 別冊文芸春秋52
新蝶々夫人 小説新潮
不良女学生 小説倶楽部
私はもう帰らない(連載)32.3まで 産経時事夕刊

7月

書名 発行所
ところてん 文学界
青線の女たち キング
裸婦図 講談倶楽部

昭和32年 1957年 46歳

3月、欧州より帰朝

5月

書名 発行所
重い車輪 中央公論
鐘の音 文芸春秋

6月

書名 発行所
四年目の女 オール読物

8月

書名 発行所
緋色のマント キング
切れ長の眼 小説新潮
白い脂肪 講談倶楽部

10月

書名 発行所
真昼の霧 講談倶楽部

11月

書名 発行所
勁い草 小説新潮

12月

書名 発行所
崩れた壁 講談倶楽部
砂地 別冊文芸春秋57
東京の秘密(連載)33.7まで 東京タイムズ

昭和33年 1958年 47歳

三女青絵誕生

2月

書名 発行所
真昼の女 小説倶楽部
実験動物 別冊文芸春秋62

4月

書名 発行所
黄昏時の秘密 講談倶楽部
餅肌の女 小説新潮

6月

書名 発行所
夏の花 小説倶楽部

7月

書名 発行所
裾貧乏 週刊新潮

8月

書名 発行所
法事帰りの女 小説新潮
タ顔の垣 講談倶楽部
肉体の門「現代日本文学全集88」収録 筑摩書房

10月

書名 発行所
母の情人 別冊小説新潮
若い河 婦人生活

昭和34年 1959年 48歳

現代画廊の経営を始める。(36年ころまで)

1月

書名 発行所
痣のある女 小説新潮

2月

書名 発行所
定窯の壷 日本

3月

書名 発行所
姦通 小説新潮
襲撃 週刊新潮

4月

書名 発行所
怠け者の弁 早稲田文学

5月

書名 発行所
愛の断層 講談倶楽部

7月

書名 発行所
肌の孤独 小説新潮
愛の歴史「現代長編小説全集33」収録 講談社

12月

書名 発行所
伊勢湾台風 小説新潮

昭和35年 1960年 49歳

2月

書名 発行所
群狼の街(連載)12月号まで 講談倶楽部

4月

書名 発行所
群像
奇妙な夜 小説新潮

9月

書名 発行所
埴輪の女 オール読物

11月

書名 発行所
消えた歌 小説中央公論

12月

書名 発行所
ピカソの女 小説新潮

昭和36年 1961年 50歳

現代画廊廃業

2月

書名 発行所
色女房 小説新潮

3月

書名 発行所
自分の肌 講談倶楽部

6月

書名 発行所
煙管 群像

7月

書名 発行所
息子の愛人 小説新潮

8月

書名 発行所
火線の女 講談倶楽部

10月

書名 発行所
肉体の門を書いたころ 群像
妻に刺青を 小説新潮

昭和37年 1962年 51歳

阿川弘之とともに東南アジアに旅行

1月

書名 発行所
不死鳥 別冊小説新潮
わが文壇青春記(連載)12月号まで 小説新潮

2月

書名 発行所
わが小説-春婦伝 朝日新聞
罪を呼ぶ肌 講談倶楽部

5月

書名 発行所
アンコール暮色 小説新潮

6月

書名 発行所
花模様のある寝台 講談倶楽部

7月

書名 発行所
二丁目新景 別冊小説新潮

8月

書名 発行所
ある香港人 群像

10月

書名 発行所
紫陽花 別冊小説新潮
青の情事 講談倶楽部

12月

書名 発行所
文士気質の自己診断(高見順との対談) 風景

昭和38年 1963年 52歳

肉体の門 「女体」の名で東宝より映画化

2月

書名 発行所
女体追跡 小説新潮
裸婦と画商 小説現代創刊号

5月

書名 発行所
蝶の巣 小説新潮

6月

書名 発行所
女画商 小説現代

8月

書名 発行所
傷ついた夏 週刊女性

11月

書名 発行所
群馬調教 小説新潮

12月

書名 発行所
隠沼 小説現代

昭和39年 1964年 53歳

ドキュメント映画「新女・女・女物語」を監督
肉体の門・春婦伝 日活より映画化

1月

書名 発行所
女拓(連載)12月号まで 中央公論

3月

書名 発行所
男鹿 群像

4月

書名 発行所
金婚の志賀先生 朝日新聞

5月

書名 発行所
暗い渇き 小説現代

6月

書名 発行所
その代償 小説新潮

8月

書名 発行所
白い歯 小説新潮
もっとも印象に残った批評 群像
対談おんなの話 対北原武夫 風景

9月

書名 発行所
文芸
ある結実 婦人生活

10月

書名 発行所
通り魔 小説現代

11月

書名 発行所
地雷源 群像
見えない傷 小説新潮

昭和40年 1965年 54歳

日本文芸家協会代表として奥野健男、大原富枝とともにソ連作家同盟の招待で9月ソビエトヘ。
ソ連船バイカル号で横浜を発ち、シベリア鉄道経由でモスクワに入り、ソ連作家同盟と新日本文学会の文学シンポジュームにオブザーバーとして参加ののち、ソ連各地やポーランド、チェコで文学者と交流。
その後、南仏からスペインに遊ぴ、11月、巴里のモンパルナスで交通事故の為骨折入院した。

1月

書名 発行所
小説新潮

2月

書名 発行所
戦場と私-戦争文学ともう一つの目 朝日新聞タ刊

3月

書名 発行所
一つの日没 小説新潮

5月

書名 発行所
短刀 小説新潮

6月

書名 発行所
逢わなかった男(長谷川利行のこと) 風景

8月

書名 発行所
極北の人(逸見猶吉のこと) 風景
黒い鴉 群像
山上陣地 オール読物
黄塵に消える 小説現代

9月

書名 発行所
静かなる日没 志賀直哉の晩年 風景
男たちの河 小説新潮

10月

書名 発行所
完壁な近代作家-高見順 群像
最低の自画像 小説現代

昭和41年 1966年 55歳

日本ペンクラブ専務理事 日本近代文学館理事に就任
ドキュメンタリー映画「シャッター 0」を監督。
茨城県笠間市郊外に文学碑完成。5月除幕式。
碑には作品集「女拓」中の「獺の女」の一節「男と女の間には愛でもない欲情でもないもっと神秘なものがある」が刻まれ、朝井閑右衛門筆の裸婦像が描かれている。

2月

書名 発行所
鯉のいのち 小説新潮

5月

書名 発行所
春婦伝・破壊された女「昭和戦争文学全集3」に収録 集英社

6月

書名 発行所
崎形 小説新潮
閃光のなかの顔 小説現代
密猟者 オール読物

8月

書名 発行所
市場の蝿 オール読物

9月

書名 発行所
失われた男 群像

10月

書名 発行所
白い噴炎 別冊小説現代
水筒のなかの男 小説新潮
現代と作家 田辺茂一との対談 風景

昭和42年 1967年 56歳

住所新宿区西大久保
7月11日脳血栓のため倒れ日比谷病院に40日間入院ののち、信州鹿教湯温泉にて半年ほどリハビリに努め、回復。
しかし、これ以後、歩行には杖と足に歩行金具の着装とが必要となる。

1月

書名 発行所
深い傷のなかで オール読物
悪銭 別冊小説新潮

2月

書名 発行所
黄色恐怖 小説新潮

3月

書名 発行所
縞のあるガラス 小説現代

5月

書名 発行所
居酒屋にて 小説新潮

6月

書名 発行所
重い空の下で オール読物

7月

書名 発行所
一寸の虫 別冊小説新潮

8月

書名 発行所
包囲のなかで オール読物

9月

書名 発行所
浮き藻たち 小説新潮
裏切りの構図 小説現代

昭和43年 1968年 57歳

住所世田谷区代沢

1月

書名 発行所
脳卒中との孤独な戦い 文芸春秋
肉体の悪魔他6点 「日本現代文学全集94」に収録 講談社

3月

書名 発行所
肉体が人間である 「昭和批評大系」に収録 番町書房

5月

書名 発行所
肉体の悪魔「現代文学大系」に収録 筑摩書房

昭和44年 1969年 58歳

4月

書名 発行所
列外放馬の感 新潮

5月

書名 発行所
肉体の悪魔他5点 「日本文学全集67」に収録 集英社

6月

書名 発行所
ころんでも必ず起きる 東京新聞タ刊

11月

書名 発行所
冥土の話 群像
馬は誰のもの 小説新潮
愛の歴史他5点 「現代長編文学全集27」に収録 講談社

昭和45年 1970年 59歳

2月

書名 発行所
死ぬということ 風景

4月

書名 発行所
ながれ藻 別冊小説新潮
わかれ旅 オール読物

6月

書名 発行所
人間と機械 早稲田文学

10月

書名 発行所
肉体の門「日本の文学」に収録 中央公論社

昭和46年 1971年 60歳

1月

書名 発行所
昨日の花々 別冊小説新潮

2月

書名 発行所
激しい血 風景

3月

書名 発行所
檻「兵士の物語」に収録 立風書房

4月

書名 発行所
自由な女の季節 別冊小説新潮

7月

書名 発行所
もういない女 別冊小説新潮

8月

書名 発行所
夕日炎々 群像

11月

書名 発行所
「春婦伝」わが青春-長い長い冬のあと- 間題小説増刊号

昭和47年 1972年 61歳

11月京都で行われた、日本ペンクラブ主催 日本文化研究国際会議に運営委員会代表委員として参画、大会成功のため尽力した。この時の総委員長は川端康成であった。

1月

書名 発行所
戸山ケ原 別冊小説新潮

3月

書名 発行所
美術の鑑賞 産経新聞タ刊

4月

書名 発行所
タ日に踊る 別冊小説新潮

5月

書名 発行所
火野葦平氏の死の構築 新潮

7月

書名 発行所
死の密会 小説宝石

9月

書名 発行所
白い夏 小説新潮

11月

書名 発行所
金の愛、銀の愛 小説宝石

12月

書名 発行所
含羞の人・「桜」のころ 「坂口安吾研究」に収録 冬樹社

昭和48年 1973年 62歳

日本ペンクラプ副会長に就任

3月

書名 発行所
夜霧の女たち 小説宝石
雪子 小説新潮
蝗 「現代日本文学大系」に収録 筑摩書房

4月

書名 発行所
新宿日常 小説新潮

6月

書名 発行所
愛が逃げてゆく 小説宝石
私の愛蔵品-ギリシャの古壼 群像

7月

書名 発行所
おいしい話 小説新潮
赤筒 風景

8月

書名 発行所
乱れ咲く花々 週刊小説

10月

書名 発行所
たのしかりきわが陣地 小説サンデー毎日
女たちの真夜中 別冊小説新潮

11月

書名 発行所
情熱の喪章 小説宝石
みだれとぶタ灼け雲 週刊小説
川端さんの古美術好き(月報) 川端康成全集

12月

書名 発行所
北原武夫追悼-北原武夫を悼む 文芸
北原武夫の死 新潮

昭和49年 1974年 63歳

1月

書名 発行所
冬の道 別冊小説新潮

2月

書名 発行所
北国への旅 週刊朝日

3月

書名 発行所
罠にかかった女 週刊小説

6月

書名 発行所
夏は巡り来ぬ 週刊小説

8月

書名 発行所
暑い夏 週刊小説

11月

書名 発行所
花は枯れない 週刊小説
季節の涯 小説宝石
夜霧 小説CLUB増刊

昭和50年 1975年 64歳

2月

書名 発行所
結婚の賭 小説宝石

3月

書名 発行所
艶情京劇の女 小説CLUB増刊
乾いた砂地 小説小説

5月

書名 発行所
愛ある運河 週刊小説

6月

書名 発行所
愛欲の果てに 問題小説
タ映えの幻花 小説宝石
成熟の季節 週刊小説

7月

書名 発行所
はるかなる愛の戦場 別冊小説CLUB

8月

書名 発行所
暑い夏 週刊小説

9月

書名 発行所
乾いた舗道 別冊小説CLUB

10月

書名 発行所
わが夏の花々 週刊小説

11月

書名 発行所
悶える紅葉 別冊小説CLUB
結婚の賭 小説宝石

12月

書名 発行所
愛しあう二人 週刊小説

昭和51年 1976年 65歳

1月

書名 発行所
吹雪の街で 小説現代

2月

書名 発行所
白い遍歴 別冊小説CLUB

4月

書名 発行所
ある女の華燭 小説宝石

6月

書名 発行所
乱れ咲く花々 週刊小説

7月

書名 発行所
女の選択 別冊小説現代

昭和52年 1977年 66歳

1月

書名 発行所
失われた愛の季節 月刊小説

9月

書名 発行所
泥のような愛 小説宝石

11月

書名 発行所
有縁ぱなし オール読物

昭和53年 1978年 67歳

1月

書名 発行所
超美人ではない オール読物

昭和56年 1981年 70歳

9月4日軽井沢の別荘で脳血栓のため、倒れる。
奥野健男氏と老酒を痛飲しつつ文学を語り合った翌朝の事であった。

昭和57年 1982年 71歳

この頃より糖尿病を併発し入退院を繰り返す。

昭和58年 1983年 72歳

11月2日
飯田橋の警察病院で永眠 告別式は世田谷の自宅で行われ、丹羽文雄、李香蘭、朝井閑右衛門等各界から多くの友人が参列した。
西武所沢霊園に眠る。