田村泰次郎自筆

内容 部数
たたかひに傷つきし鳥の湿原に声もえあげず羽搏きてゐる 大1枚
蝶一つ金色の海へ出てゆけり 大1枚
柊をさして灯の露地出でにけり 1枚
子供には子供の日々や桐の花 2枚
盲牛の売られゆく声春灯 1枚
青芝をふみふみゆけぱ海に出し 2枚
花散るも女は愛に生きるぺし 1枚
夕日炎々 2枚
1枚
名花一輪 1枚
1枚
池中の蚊龍 1枚
駿馬 1枚
日々是佳日 1枚
千客万来 3枚
蝶一つ金色の海へ出てゆけり 小4枚
生涯を茜に生きしひと端居 2枚
あくまでもひとりの道の冬木なり 1枚
雷雲を恋うるごとくに船ゆけり 1枚
短日の寂光院は障子白 2枚
天地の愛 人の愛 2枚
1枚
一筋の愛に女は生きるべし 1枚
山もあり谷もある世に生きんかな 1枚
秋空一鶴 2枚
1枚
大魚深潜 1枚
往くに大道を以てし 細きに依らず 1枚
うまい安いいふことなし 1枚

諸家 色紙・短冊

諸家色紙

括弧内は文面

作者 内容 部数
石川達三 〔君は我等のクリストなり 祝出征 田村泰次郎君 達三〕 昭和15年桐板挟 1枚
尾崎士郎 〔秋風や南にうごく雲の影/士郎〕 1枚
川端康成 〔仏界易入 魔界難入 「川端康成」の落款〕 2枚
今東光 〔是色〕 1枚
西条八十 〔暗い暗いと言いながら/誰か窓下を通る/うちには灯がともり/外はまだあかるいのに/くらいくらいと云いながら/西條八十 1枚
西条八十 〔てんてん手鞠は殿さまに/抱かれてはるばる旅をして/紀州はよい国日の光/山の蜜柑になったげな/西條八十〕 1枚
西条八十 〔乙女椿のちる坂で/逢うて別れる蛇の目傘/恋といふものもそれだけよ/をさななじみは西東/西條八十〕 1枚
高見順

〔雲と石雲のうしろに/翼をもがれたニケがいる/人目をしのんで/大盤石が/ひぴ割れる/ 病床で 高見順〕

注:近代文学館設立時のオークションで落札・絶筆
「ニケ」とはギリシヤ語で勝利の意。翼を持った若い女神像で表現される

1枚
瀧井南花 〔忠恕〕 1枚
中村汀女 〔松蝉やひとり日傘をかざすとき〕 1枚
町春草 〔舞〕 1枚
町春草 〔春のそのくれなゐにほふもゝの花したてるみちにいてたつをとめ〕 1枚
出征壮行会 寄せ書 昭和15年 1枚
映画人サイン色紙 菅原文太・谷隼人他(代沢の自宅を映画撮影に貸した時のもの) 9枚

諸家短冊

括弧内は文面

作者 内容 部数
太田垣蓮月(歌人) 〔紅葉のちりけるをみて/おほそらにたか手向つるぬさならん/かせも紅葉のいろになるまて/蓮月〕 1枚
峨洋逸人 〔水光劫月出 花落見風衣/峨洋逸人〕 1枚
久世通煕
(クゼミチサト)
(公家 1818年から1875年)
〔関旅/はるはると日数重ねて陸奥の/衣のせきにけふはきにけり/通煕〕 1枚
佐々木弘綱
(歌人 国学者)
〔雲浮野水/日照雨すきし野川の水の面を/おくれてわたる雲の一村/弘綱〕 1枚
下田歌子
(歌人 教育家)
〔せうとの君に参らするといふことを綱子ぬしにかはりて/老まつに若木の枝もさしそひて/いとゝ千とせのかけのこ深さ/うた子〕 1枚
坪内逍遙(小説家) 〔さるくゝやねられぬまゝに蟆を友/柿双〕 1枚
阪正臣
(バンマサオミ)
(歌人 書家 1855年から1931年)
〔新年松/きみかよはけふりのみかはかとまつの/かすもとしとしたちまさりつゝ/正臣〕 1枚
本居宣長
(歌人 国学者)
〔しきしまのやまと心を人とはゝ/朝日にゝほふやまさくらはな/宣長〕 1枚
(不明) 〔紅葉/手折より袖も千入にそめてけり/もみちの錦きるとみるまて/実○〕

芳名録

内容 時期 部数
田村泰次郎「少女」「大学」 出版記念会芳名録 昭和14年 1冊
出征壮行会 芳名録 昭和15年 1冊
わが文壇青春記 出版記念会芳名録 昭和38年 2冊