平芳 裕子/著 -- 筑摩書房 -- 2024.9 -- 383.1

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所蔵場所 請求記号 資料コード 資料区分 帯出区分 状態
ティーン /383/ヒ/ 121185862 児童一般 可能 iLisvirtual

資料詳細

タイトル 東大ファッション論集中講義
タイトルカナ トウダイ ファッションロン シュウチュウ コウギ
叢書名 ちくまプリマー新書
著者 平芳 裕子 /著  
著者カナ ヒラヨシ ヒロコ
出版者 筑摩書房
出版年 2024.9
ページ数 254p
大きさ 18cm
一般件名 ファッション-歴史
ISBN13桁 978-4-480-68493-6 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
言語 jpn
分類記号 383.1
内容紹介 衣服に起源はあるのか。ファッションは何を意味するのか。シャネルはなぜ評価されるのか。12のテーマを通じて文化や芸術としてのファッションを解説し、歴史と未来に問う。2023年東京大学で開催の特別講義を書籍化。
著者紹介 東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授。著書に「まなざしの装置」など。

目次

それでもファッションを研究する-イントロダクション
  ファッションは浅い!?
  なぜファッションは学問として認められなかったのか?
  ある時代に限られた気まぐれな流行
  「芸術作品としては不十分」と考えられていた
  「女性」と結びつけられてきたファッション
  盛り上がるファッション研究
集中講義 1日目|西洋のパラダイム
第1講 裁断と縫製-衣服に起源はあるのか
  服を着るのはなんのため?
  根源的な行為
  一枚の布から衣服を作るには
  「体に合わせた服を作る」という思想
  布の裁ち方はいかに広まったのか
  裁断技術で魅せたデザイナーたち
  裁断と縫製を理想とする西洋の価値観を塗り替える
第2講 言葉と学問-ファッションは何を意味するのか
  服なのか、現象なのか?
  「ファッション」という言葉の由来
  礼儀作法を身につけた身体
  王さまのひだ襟はなんのため?
  「うつろいやすいもの」の誕生
  過去への注目と「服飾史」のはじまり
  みんなが持っているものを欲しいと思うのはなぜか
  産業革命後のパラダイム
第3講 作法と流行-ファッションはなぜ女性のものとなったのか
  「男性は着飾るべきではない」という社会通念
  ジュエリーとストッキングで着飾るヘンリー八世
  ハイヒールを履いたルイ一四世
  華やかな装飾に男女差はなかった
  貴族的価値を否定する実用的な服
  男たちはスーツで仕事へ、女たちは着飾り留守を預かる
  暇に興じる有閑夫人たちのドレス
  いまだその枠組みは揺らいでいない
集中講義 2日目|近代がもたらしたもの
第4講 自由と拘束-女性の身体は解放されるのか
  身体を縛りつけるコルセット
  コルセットなくしてドレスを着ることはできなかった
  女性たちは外へと飛び出し始める
  近代化と装飾や拘束からの解放
  シャネルは女性服に実用性をもたらした
  若々しくエネルギッシュなスタイル
  ファッションの自由は獲得されたのか?
第5講 モデルと複製-ファッションデザインの近代
  服に「デザイン」という概念が生まれたのはいつ?
  あらかじめ完成見本を作り、デザインの決定権を握る
  複製技術の時代
  雑誌メディアがパターンを拡散する
  コピー商品の登場
  既製服の需要の高まり、歓迎される斬新なアイデア
  「標準的な体型」のために作られた衣服
第6講 メディアとイメージ-衣服がファッションになるとき
  服はただそこにあるだけでは流行とはならない
  異文化への好奇心を駆り立てた「見聞録」
  ファッション誌の誕生
  アメリカでもパリの流行が知りたい!
  パターン(型紙)というメディア
  写真に添えられた「言葉」こそがファッションをつくる
  デジタルメディアはファッションの本質を変えたか?
集中講義 3日目|創造性への問いかけ
第7講 展示と鑑賞-ミュージアムのファッション展
  「美術館をブティックにするつもりか?」
  収集展示品としての衣服
  アメリカの既製服への貢献
  メトロポリタン美術館に服飾部門が誕生
  名編集長ダイアナ・ヴリーランドの辣腕
  「世界観」を提示する
  日本のファッション展のあゆみ
  死すべきファッションに息を吹き込む?
第8講 身体と表象-ファッションとアートの接近
  異なる領域にありながら密接な関係にある
  芸術作品のなかで描かれるファッション
  芸術家による衣服のデザイン
  アヴァンギャルドの芸術家たち
  舞台芸術のなかのコスチューム
  「身体」を問いはじめたアート
  ファッションシステムへの異議申し立て
  欲望と産業構造の上に成り立つクリエイション
第9講 名と言説-シャネルはなぜ評価されるのか
  二〇世紀で最も重要なデザイナー
  活動的でオリジナルなスタイル
  見向きもされなかった素材で常識を覆す
  隠遁と復帰
  なぜアメリカはシャネルとその「コピー」を歓迎したのか
  「シャネルスーツ」はアメリカの理想を概念化した
集中講義 4日目|歴史と未来をつなぐ
第10講 女性と労働-お針子像は消えたのか
  ミロのヴィーナスがその手に掲げていたものは?
  過酷な労働に従事する「お針子」
  「伝統的な仕事を守る存在」として美化される女性
  劣悪な労働環境は今なお続く問題
  その服は本当に必要なのか?
  「縫う女性」のイメージがまとうノスタルジア
第11講 日本と近代-洋服とはなんだったのか
  なぜ「洋服」が当たり前になったのか
  近代化を目指した明治政府のプロジェクト
  女性たちは洋髪を取り入れながらも和服を着続けた
  モダンの風が吹く大正時代
  戦争が女性たちにズボンを穿かせた
  戦後文化と洋服への情熟
第12講 批評と研究-ファッション学からファッションスタディーズへ
  鷲田清一の<服を着る「私」の考察>
  時代を洞察する文化批評の役割を果たした
  ファッション研究の曲がり角
  二一世紀日本のファッション研究
  拡がっていくファッションスタディーズ
あとがき