太田 出/著 -- 京都大学学術出版会 -- 2024.3 -- 222.21

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資料詳細

タイトル 統治されない技法
タイトルカナ トウチ サレナイ ギホウ
副書名 太湖に浮かぶ<梁山泊>
著者 太田 出 /著  
著者カナ オオタ イズル
出版者 京都大学学術出版会
出版年 2024.3
ページ数 17,512p
大きさ 22cm
一般件名 江蘇省-歴史 , 水上生活者 , 漁民 , 太湖
ISBN13桁 978-4-8140-0523-9 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
言語 jpn
分類記号 222.21
内容紹介 中国・太湖流域の歴史を湖上民の視点から描きなおす。彼らはいかなる「統治されない技法」を用い、避難・移動先の太湖に「国家に抗する社会」を構築したのか、共産中国のもとでいかに変容していったのかを復原する。
著者紹介 愛知県生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。博士(文学)。著書に「中国近世の罪と罰」「関羽と霊異伝説」など。

目次

序章 太湖流域の「網船鬼」とは何者か?
  一 はじめに
  二 理論的枠組み
  三 研究方法
  四 太湖流域を中心とした湖上民研究の現在
  五 東・東南アジアにおける非定住の水上民に関する研究
  六 本書の目的と構成
第Ⅰ部 明清・民国期の太湖流域と船上生活漁民
第一章 「湖寇」「湖匪」「湖賊」
  一 太湖流域の自然・社会・経済環境
  二 歴史文献のなかの「湖寇」「湖匪」「湖賊」の活動
  三 清代における湖上民の漁撈と犯罪
  四 太湖流域の湖上民と幹線水路の警備
  五 太湖流域の「統治しがたい人びと」
  六 おわりに
第二章 湖面の占有、ローカル・コモンズ、オープン・アクセス
  一 「避難地帯」としての太湖流域と湖面をめぐる権利関係
  二 中近世(宋~明代)における内水面漁業と権利関係
  三 清代・中華民国期の太湖流域における内水面の権利関係
  四 おわりに
第三章 統治を試みる近代国民国家
  一 近代国民国家による太湖流域漁民の統治の試み
  二 「郷鎮戸口調査表」の概要
  三 「郷鎮戸口調査表」に見える太湖流域漁民と陸上世界
  四 「郷鎮戸口調査表」に見える老宅鎮社会
  五 おわりに
第Ⅱ部 湖上民集団「社」「会」と宗教的紐帯
第四章 消えないエスニック・グループ
  一 太湖流域の湖上民(漁民)はどこから来たのか?
  二 「本地幇」「蘇北幇」「山東幇」の区別
  三 インタビュー記録に見る本地人・蘇北人・山東人意識
  四 表象としての「魚鷹(鵜飼い)」
  五 おわりに
第五章 「網船会」に集まる小集団「社」「会」
  一 参与観察、宗教活動、湖上民の小集団
  二 神霊と廟会
  三 太湖興隆社徐家公門の場合
  四 嘉興南六房老長生分会と平望北六房の場合
  五 おわりに
第六章 湖上民の信仰する神霊
  一 歴史文献とインタビューからの湖上民の信仰世界への接近
  二 劉猛将(劉王、上天王)
  三 楊爺廟
  四 上方山大老爺(五通神)
  五 太君神
  六 おわりに
第Ⅲ部 湖上民集団の「香頭」と“避難・移住の記憶”
第七章 太湖流域の「香頭」と「香客」
  一 ライフヒストリーの手法を用いて太湖流域漁民を描く
  二 「香頭」徐貴祥氏のライフヒストリー
  三 太湖興隆社と「香頭」
  四 徐家公門と「香頭」
  五 華北農村の事例との比較検討
  六 おわりに
第八章 「香頭」・首長・シャーマン
  一 「神漢」「神職」としての「香頭」の職務
  二 賛神歌歌手としての「香頭」
  三 「香頭」継承の記憶装置としての神像・神像画
  四 おわりに
第九章 「香頭」の賛神歌、「非物質文化遺産」、創り出された「伝統」
  一 賛神歌から太湖流域漁民(湖上民)を考える
  二 非物質文化遺産(無形文化財)申請書に見る「香頭」と賛神歌
  三 口碑資料に見る「香頭」と賛神歌
  四 おわりに
終章 「網船鬼」の湖上世界を包摂する国家の統治
  一 漂泊と捕魚の船上生活
  二 漁民協会・捕撈大隊の成立
  三 一九六八年の「漁業的社会主義改造(漁改)」と漁業村の成立
  四 承包(請負)責任制への転換
  五 「湖上のゾミア」としての太湖に浮かぶ「梁山泊」