尾西 康充/著 -- 藤原書店 -- 2023.11 -- 910.268

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閲覧室 /910.268/ノマ/ 117341578 成人一般 可能 iLisvirtual

資料詳細

タイトル 新しい野間宏
タイトルカナ アタラシイ ノマ ヒロシ
副書名 戦後文学の旗手が問うたもの
著者 尾西 康充 /著  
著者カナ オニシ ヤスミツ
出版者 藤原書店
出版年 2023.11
ページ数 382p
大きさ 20cm
ISBN13桁 978-4-86578-406-0 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
言語 jpn
分類記号 910.268
内容紹介 “生命科学”の誕生から、現在直面する“生命の危機”の時代を見通した野間宏の全体小説とは何か? 野間の代表的な文学作品を読み解きながら、野間がその作家生涯をかけて目指した理想を明らかにする。
著者紹介 兵庫県神戸市生まれ。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。博士(学術)号取得。三重大学人文学部教授。著書に「『或る女』とアメリカ体験」など。

目次

第1章 「暗い絵」論(1)
  1 《象徴的去勢》
  2 「仕方のない正しさ」
  3 京大ケルン
  4 布施杜生のこと
  5 獄死という《現実的なもの》
  6 《自由》と《隷従》をめぐるジレンマ
第2章 「暗い絵」論(2)
  1 「学生評論」
  2 生産力理論と《第三の途》
  3 「統一戦線とファシスト大衆組織」
  4 自己矛盾
  5 《穴》のイメージ
  6 戦中日記
  7 「フロイド奴、フロイド奴」から「ブルジョア奴、ブルジョア奴」へ
第3章 人民戦線運動と《近代主義批判》
  1 反ファッショ人民戦線運動
  2 「デア・ルーフ」
  3 《近代主義批判》
  4 「罪悪感コンプレックス」
第4章 「顔の中の赤い月」論
  1 「絶対有の立場」をとる知識人
  2 「他の人間の生存を見殺しにする人間」
  3 他者の不在
  4 「哀れな弱者」への転落
  5 アンビバレントな死の欲動
第5章 「崩解感覚」論
  1 「若い生命の導き手」
  2 「自己矛盾的内部闘争としての苦悩」
  3 「過去からの断絶」
  4 「眩暈のような感覚」
  5 「大きな奇妙な穴」
  6 二重の《事後性(Nachträglichkeit)》
  7 「焦燥感と虚無感」
第6章 「真空地帯」論
  1 軍隊の非人間性
  2 学徒出陣兵
  3 軍法会議
  4 「徒弟制度と軍隊制度が生んだ一つの典型的な人間」
  5 「監獄がえりのバッチ」
  6 「大衆と共感し、共応し合う世界」
  7 私的制裁と軍法の起源
第7章 「地の翼」論
  1 「一条の光線」
  2 《モラルの運動》
  3 「非合法活動に従っている人間」と「公然と動いている人間」
  4 《党のため、従って革命のため》
  5 《愛情の問題》
  6 蔵原惟人との国民文学論争
第8章 地域人民闘争
  1 「自己意識からの脱出」
  2 コミンフォルムからの批判
  3 新日本文学会の“中央グループ”
  4 《政治の優位性》
第9章 『青年の環』論(1)
  1 《中融合体》の運動体
  2 経済更生運動
  3 水平社運動の“沈衰”と“凋落”
  4 部落更生皇民運動
  5 浪速区経済更生会
  6 “国民融和”への道
第10章 『青年の環』論(2)
  1 「反社会性」
  2 《承認をめぐる生死を賭した闘争》
  3 滝川事件
  4 “無産者との一体化”から“国民との一体化”へ
第11章 野間宏における一九六〇年代の政治と文学
  1 “血のメーデー事件”
  2 要請書の提出
  3 部分的核実験停止条約
  4 声明の発表
第12章 「わが塔はそこに立つ」論
  1 アンビバレントな宗教観
  2 《反権力の象徴としての親鸞》像
  3 「中之町」の人びと
  4 五・二六宇治学生集会
  5 「架空のあるかなきかの一点」
第13章 「生々死々」論
  1 「欠如」と「全体性」
  2 「首穴」
  3 「現代の病気」
  4 未完の全体小説