深沢 徹/著 -- 武蔵野書院 -- 2023.3 -- 910.4

所蔵

所蔵件数は 1 件です。現在の予約件数は 0 件です。

所蔵場所 請求記号 資料コード 資料区分 帯出区分 状態
閲覧室 /910.4/フ/ 117326843 成人一般 可能 iLisvirtual

資料詳細

タイトル 演能空間の詩学
タイトルカナ エンノウ クウカン ノ シガク
副書名 <名>を得ること、もしくは「演技する身体」のパフォーマティブ
著者 深沢 徹 /著  
著者カナ フカザワ トオル
出版者 武蔵野書院
出版年 2023.3
ページ数 316,7p
大きさ 19cm
一般件名 日本文学 , 能楽
ISBN13桁 978-4-8386-1005-1 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
言語 jpn
分類記号 910.4
内容紹介 固有名を持たない敵だから殺せるのなら、敵を殺さないためにどのようにしたら、固有の<名>と<顔>を得たり与えたりすることができるのか。「紫式部日記」、能や狂言を題材とした自己言及のはたらきに、その可能性を見る。
著者紹介 神奈川県生まれ。神奈川大学教授。著書に「日本古典文学は、如何にして<古典>たりうるか?」「「この国のかたち」を求めて」など。

目次

第Ⅰ章 問題の所在-テキストの「内」と「外」、もしくは『紫式部日記』に見る自己言及表現の行為遂行機能-
  一 「こそあど」構文のパフォーマティブ
  二 編纂の果実としての『紫式部日記』
  三 人称表現のパフォーマンス
  四 「ちょうつがい」としての自己言及
  五 メタ・フィクション論の地平
  六 西洋リアリズム演劇と「第四の壁」
第Ⅱ章 真実から三番目に遠く離れて-「源氏能」に見る、「歓待」の作法としての「名指し」と「名告り」-
  問題の所在-「ウソ」に「ウソ」を重ねたまがいもの?
  一 「歓待」の作法としての固有名への呼びかけ
  二 「源氏能」の諸相(夕顔、半蔀、葵上、野宮、須磨源氏、住吉詣、玉鬘、浮舟、源氏供養)
  三 <他者>の先行、あるいは対面的な<場>の「二人称」
  四 「ミメーシス」に「ミメーシス」を重ねるとはどういうことか?
第Ⅲ章 はじめに「二人称」があった-「第四の壁」のへだて、もしくは独我論のくびきからの解き放たれ-
  問題の所在-演劇の<場>における「作者」の<死>
  一 パルマコンとしての「四人称」
  二 演劇のことばのアイロニー
  三 「事実をもって語らせる」ことなどできるのか?
  四 演劇の<場>における人称表現の多面的複合形態
第Ⅳ章 かたらう「能」と、かたどる「狂言」-演能の<場>における、「アイ(間)」のはたらきをめぐって-
  問題の所在-かたどりVSかたらい
  一 主客二元論のくびき
  二 熱くうたう「能」、あるいは<同化>の眩惑
  三 <異化>の覚醒、あるいは冷たくかたる「狂言」
  四 アレゴリーと異化効果
  付論 「義経もの」にみるアイ(間)の「かたり」の諸相(鞍馬天狗、烏帽子折、熊坂、橋弁慶、正尊、船弁慶、二人静、安宅)
第Ⅴ章 きつねたちは、なにもので、どこからきて、どこへいくのか?-<名>を得ること、もしくは「演技する身体」の行為遂行機能-
  問題の所在-「固有名」の翻訳不可能性と、演劇の<場>におけるその「再現」
  一 都市伝説-幼年期のきつねたち
  二 上書きされる系譜-「震旦きつね」の飛来
  三 白魔術VS黒魔術-「天竺きつね」の到来
  四 在地(ヒナ)との出会い(一)-「玉藻の前」の場合
  五 在地(ヒナ)との出会い(二)-恨み「葛の葉」の場合
  六 「演技する身体」の行為遂行機能
  七 ミミクリ-変換装置としての『殺生石』、そして『釣狐』
  八 ミメーシス-変換装置としての『三輪』、そして『翁』
終章 民主の<かたり>-三谷邦明が源氏物語研究に遺したもの-
  はじめに-抜き取られた「躾糸」
  一 躾糸としての「固有名」
  二 いくつもの可能世界を拓く「固有名」
  三 架空(ニセ)の「固有名」のあつかいをめぐって
  四 方法としての「カテゴリー・ミステイク」
  五 三谷邦明における「形而上学」の復権
  六 「躾糸」のパフォーマンス