月澤 美代子/著 -- 名古屋大学出版会 -- 2022.11 -- 490.21

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資料詳細

タイトル ツベルクリン騒動
タイトルカナ ツベルクリン ソウドウ
副書名 明治日本の医と情報
著者 月澤 美代子 /著  
著者カナ ツキサワ ミヨコ
出版者 名古屋大学出版会
出版年 2022.11
ページ数 12,462,27p
大きさ 22cm
一般件名 医学-歴史 , 医療-日本 , 医学-雑誌 , 結核
ISBN13桁 978-4-8158-1101-3 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
言語 jpn
分類記号 490.21
内容紹介 「情報」と「ツベルクリン」を軸にした明治期日本の医学医療史。19世紀後半の多様な医療雑誌による「情報」の伝達・普及・切り分けに視点を据え、近代日本の医学・医療の風土が形成される転換期の実相を描く。
著者紹介 東京生まれ。東京農工大学大学院中退。順天堂大学医療看護学部非常勤講師。

目次

序章
  1 近代医学の転換点としての「ツベルクリン」
  2 グッド・クリニカル・ジャッジメントと医療技術評価
  3 医学医療史から見た19世紀後半とは
  4 明治維新と近代医学の導入
  5 トップダウンとボトムアップ
  6 明治期日本の医師数と80%の医師
  7 19世紀欧米の医療情報誌
  8 本書の構成
第Ⅰ部 医療情報はどのように伝達されたか
第1章 明治日本における医療情報の導入・伝達・普及
  1 医療情報の4区分
  2 一般情報と内部情報
  3 一般情報(information)に関する研究史
  4 内部情報(intelligence)に関する研究状況
第2章 明治20年代日本の情報環境
  1 「環境」「ひと」「もの」
  2 国際的な情報インフラの整備
  3 日本国内での輸送環境
  4 日本国内での「情報」を規制する法的な環境
  5 情報発信地の東京一極集中
第3章 日本語医療情報誌と「一般新聞」
  1 先行研究の検討
  2 本書で主な検討対象とする医療情報誌の選考基準
  3 本書で主な検討対象とする日刊紙
第Ⅱ部 明治日本の「ツベルクリン騒動」
第4章 「ツベルクリン騒動」とは何か
  1 「ツベルクリン」とは何か
  2 「ツベルクリン騒動」とは何か
  3 先行研究の検討
  4 臨床実験/病床実験と病名
ステージ1:発端・開始
第5章 日本の「ツベルクリン騒動」はどのように始まったのか
  1 第10回ベルリン万国医学会でのコッホの発表
  2 情報の導入・紹介
  3 日本における「ツベルクリン騒動」の開始
  4 さらなる拡大
  5 『官報』と「一般新聞」における情報伝達
  6 長与専斎『松香私志』の記述再考
ステージ2:政府としての対応検討期
第6章 帝大病院・内務省衛生試験所の「ツベルクリン」検証報告
  1 はじめに
  2 緒方正規による建議と中央衛生会での論議
  3 明治24年2月28日・中浜東一郎の演説
  4 帝大病院での検証実験
  5 内務省衛生試験所での検証実験と結果
  6 結果はどのようなものとされたのか
  7 スクリバ報告の結果は信頼できるものだったのか
  8 まとめ
第7章 検証実験の「一般の人々」への伝達
  1 はじめに
  2 『郵便報知新聞』掲載記事
  3 『時事新報』での報道
  4 『読売新聞』での報道
  5 まとめ
ステージ3:日本全国への普及
第8章 「特例法」と日本全国の医療施設での臨床実験
  1 はじめに
  2 吉益東洞『結核新療古弗氏ツベルクリン使用便覧』
  3 「特例法」の適用範囲と官・府県立病院での臨床実験
  4 「特例法」に基づく「ツベルクリン」使用申請と認可/不認可
  5 日本全国における「ツベルクリン臨床実験」報告
  6 公的な内部報告書に残された臨床実験成績
  7 「特例法」の廃止
  8 まとめ
医療情報誌から視る「ツベルクリン騒動」
第9章 学会誌から視る「ツベルクリン騒動」
  1 はじめに
  2 『東京医学会雑誌』から視た「ツベルクリン騒動」
  3 『順天堂医事研究会報告』から視た「ツベルクリン騒動」
第10章 商業誌3誌における「ツベルクリン」情報掲載の推移
  1 はじめに
  2 『中外医事新報』から視た「ツベルクリン騒動」
  3 『東京医事新誌』から視た「ツベルクリン騒動」
  4 『医事新聞』から視た「ツベルクリン騒動」
第11章 5誌の比較検討から視えてくること
  1 「医療情報」と「医療界の情報」と
  2 「情報」収集力・伝達力・発信力
  3 「情報」の切り分け
  4 「ツベルクリン」臨床実験と「ツベルクリン騒動」の終息との関係
  5 『大日本私立衛生会雑誌』における「ツベルクリン騒動」の終息
第Ⅲ部 階層化されていく時代と医療情報誌
北里柴三郎と伝染病研究所
第12章 明治24年度大日本帝国予算案と内務省
  1 はじめに
  2 明治24年度予算案審議
  3 明治24年度内務省予算をめぐる攻防と長与専斎の辞任
  4 北里の帰国
第13章 「伝説」の再検討
  1 「伝説」のルーツ・その1
  2 北里の留学と帝大医学士の派遣
  3 「伝説」のルーツ・その2
  4 帝大3医学士のドイツ派遣時のコッホの状況
  5 「伝説」の背景
第14章 審事機関としての伝染病研究所
  1 伝染病研究所の創設
  2 国家衛生の審事機関としての伝染病研究所
  3 香港派遣命令
  4 ジフテリア血清療法
  5 人材の育成
  6 研究に使用される身体
  7 「ツベルクリン」評価
医療情報誌の階層化
第15章 トップダウンとボトムアップ
  1 はじめに
  2 『細菌学雑誌』の創刊と医療情報誌の専門分化
  3 国家医学という領域
  4 日本医学会の創設と専門医学会
  5 地方医学会の創設と官立医学校紀要の刊行
第16章 医療情報誌マーケットの拡大と富士川游の模索
  1 はじめに
  2 『中外医事新報』と富士川游の模索
  3 啓発誌の隆盛
第17章 明治20年代日本の医療情報誌と階層化
  1 医療情報誌の使命とは
  2 「ツベルクリン騒動」後の各誌の配布数
  3 階層化されていく医療情報誌
終章 「ツベルクリン騒動」とは何だったのか
  1 共存する「時間」と氾濫する「情報」
  2 時間差のある地域
  3 科学的医学とは
  4 「ツベルクリン騒動」は、いかに語られてきたか
  5 模索と模倣の時代