渡邉 雅子/著 -- 岩波書店 -- 2021.7 -- 372.35

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資料詳細

タイトル 「論理的思考」の社会的構築
タイトルカナ ロンリテキ シコウ ノ シャカイテキ コウチク
副書名 フランスの思考表現スタイルと言葉の教育
著者 渡邉 雅子 /著  
著者カナ ワタナベ マサコ
出版者 岩波書店
出版年 2021.7
ページ数 9,246,17p
大きさ 22cm
一般件名 フランス-教育 , 作文教育 , 論文作法
ISBN13桁 978-4-00-002606-2 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
言語 jpn
分類記号 372.35
内容紹介 「論理的である」という感覚はどのようにつくられていくのか。フランスでの小論文を核とした言葉の教育を通じて、日本ともアメリカとも異なる「論理的思考」の存在、そしてその形成過程を明らかにする。
著者紹介 コロンビア大学大学院博士課程修了。Ph.D.(博士・社会学)。名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授。著書に「納得の構造」など。

目次

序章
  1 思考表現スタイルと論理的思考
  2 学校の特別な役割
  3 小論文の型と「論理的である」と感じる根拠
  4 なぜフランスなのか
  5 本書の構成
第一部 論文構造から生まれる論理と思考法
第1章 論文の構造と論理の型
  1 「論理的」であることの探求
  2 ディセルタシオンの構造と論理-エッセイとの比較から
  3 構造から導かれる米仏の論理の特徴
第2章 哲学のディセルタシオンと哲学教育
  1 哲学のディセルタシオンの特別な地位
  2 哲学教育の目的、内容構成と方法
  3 哲学のディセルタシオンを書く
  4 哲学のディセルタシオンを分析する
  5 小括-哲学のディセルタシオンに見る思考表現のスタイル
第3章 文学のディセルタシオンと文学教育
  1 高校のフランス語(文学)教育-目的と構成
  2 文学の論述問題
  3 文学のディセルタシオンを書く
  4 文学のディセルタシオンに見る弁証法の論理
第4章 ディセルタシオンの歴史
  1 伝統的な教育-フランスの論理的文化と三つの形式主義
  2 フランス革命とディセルタシオンの創造
  3 哲学教育とディセルタシオン-自由に自律して考えるための訓練の創造
  4 小括 ディセルタシオンは教育を刷新したか-変わったものと変わらなかったもの-
第二部 論理的思考の段階的な訓練
第5章 小学校で教えられる論理
  1 文法・描写・物語を通した論理的思考
  2 作文(rédaction)-形式による論理的一貫性を学ぶ訓練
  3 物語の創作における二つの訓練-視点による論理的一貫性と物語の「定義と型」の習得-
第6章 中等教育で育まれる論理
  1 中学校における「論証」-自然の配置から論理の配置へ
  2 高校で育まれる論理-弁証法という思考の飛躍
  3 小括-高校で育まれる論理と論理的思考
第三部 判断し行動するための論理
第7章 歴史教育
  1 フランスの歴史教育の構成-教科書に見る時間の概念と歴史認識
  2 フランスの歴史教科書の構造と授業の構造
  3 過去はどう語られるか-フランスの歴史授業の五つの特徴
  4 視覚イメージで教える効果-見えるものから「見えないもの」を読み解く
  5 いかに評価するか-良い説明(歴史の語り)と求められる能力
  6 未来はどう捉えられているか-歴史教育に見る過去・現在・未来の構造
第8章 歴史教育の歴史に見る思考法の変遷
  1 歴史教育の転換点(一九七〇年代の改革)-新教育とアナールの歴史研究の方法
  2 揺り戻しと新たな発展-公民教育としての歴史と年代史・政治史の復活(一九八〇年代)-
  3 史料から構築する歴史へ-生徒の多様化とデカルト的方法(一九九〇年代から)
  4 グローバル化・情報化への対応-共通基礎の導入
  5 二〇〇〇年以降のディセルタシオンの大衆化と歴史教育-理想と現実、断絶と継承、批判と実像-
  6 教育の大衆化とテーマとイメージによる歴史
第9章 市民性教育
  1 言葉の定義を通した合意形成と共通の文化の構築
  2 学級の規則作り-手続きの遵守と形式主義(公民科)
  3 言葉の定義から「判断の基準」を学ぶ
  4 「社会は変えられる」-フランス革命の遺産を伝えるプロジェクト
  5 哲学による前提の合意形成-歴史に学び、共同体の文化を形成する討論
  6 討論から政治的行動へ
  7 政治教育としての市民性教育-言葉の定義と手続き遵守の社会生活への適用
終章 フランス社会の<論理>の構築
  1 思考表現スタイル-思考・判断・表現の型
  2 社会の利益か、個人の目的達成か-共和主義と民主主義
  3 民主主義型の思考表現スタイル-補助線としてのアメリカ
  4 結語 小論文の<論理>から考える社会の未来-フランス、アメリカ、そして日本-