高岸 輝/著 -- 吉川弘文館 -- 2020.3 -- 721.2

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閲覧室 /721.2/タ/ 117038679 成人一般 可能 iLisvirtual

資料詳細

タイトル 中世やまと絵史論
タイトルカナ チュウセイ ヤマトエ シロン
著者 高岸 輝 /著  
著者カナ タカギシ アキラ
出版者 吉川弘文館
出版年 2020.3
ページ数 15,394,16p 図版16p
大きさ 22cm
一般件名 大和絵-歴史
ISBN13桁 978-4-642-01664-3 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
言語 jpn
分類記号 721.2
内容紹介 中世の400年間において、あらゆる絵画の基盤であったやまと絵。絵巻・肖像画・仏画・障屛画など多ジャンルの作例を分析し、視覚による世界把握のありようを探るとともに、絵師や流派による表現様式の展開を追う。
著者紹介 1971年米国生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(美術)。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。著書に「室町王権と絵画」など。

目次

序章 中世の造形と視覚
  1 南北朝美術史の揺らぎ
  2 古典様式の継承と断絶
  3 中世大画面の展開
  4 室町やまと絵の規範と編集
  5 室町水墨画の規範と編集
  6 戦国時代の絵師と実景
第Ⅰ部 中世絵巻論-制作と享受
第一章 中世における絵巻の収集享受と権力
  1 『源氏物語』にみる絵巻享受
  2 後白河上皇の古典創出
  3 断続する絵合
  4 足利義満の絵合
  5 室町殿の絵巻コレクション
  6 中世的絵巻コレクションの解体
  7 離合集散する絵巻
第二章 絵巻マニアの絵巻評
  1 後白河上皇の絵画戦略
  2 花園天皇と古典絵巻
  3 伏見宮貞成親王と皇統の証明
  4 後花園天皇の画技と鑑識眼
  5 三条西実隆の感涙
  6 室町将軍たちの絵巻熱
  7 松平定信の政道回復と絵画復興
  8 絵巻に見た夢
第三章 「病草紙」の構図
  1 建築の有無による構図分類
  2 人物主体の画面構成(第一群)
  3 人物と建築による画面構成(第二群)
  4 「病草紙」から高階隆兼絵巻へ
  5 連続する構図
第四章 メトロポリタン本「北野天神縁起絵巻」の図像と様式
  1 「北野天神縁起絵巻」の転写とメトロポリタン本
  2 鎌倉絵巻の様式展開
  3 日蔵巡歴譚の比較
  4 メトロポリタン本の成立
  5 絵巻と仏教絵画の交差
第五章 「後三年合戦絵巻」にみる院政期絵巻の復活
  1 大画面絵巻の系譜
  2 構図の単純性と反復性
  3 似絵的様式
  4 残虐な戦場
  5 奥書の改変
  6 復活する院政期絵巻
第六章 「遊行上人縁起絵巻」諸本の様式と年代
  1 時宗と絵巻
  2 南北朝絵巻の画風をめぐる課題
  3 南北朝絵巻の書風をめぐる課題
  4 金光寺本・金台寺本の画風
  5 金蓮寺本の画風
  6 清浄光寺甲本の画風
  7 真光寺本の画風
  8 南北朝絵巻の様式的振幅
第Ⅱ部 初期土佐派論-公武権力と和漢の絵画
第一章 やまと絵の再生と革新-室町時代土佐派の成立と展開
  1 土佐派の成立
  2 土佐派の確立と規範の形成
  3 土佐光信の革新
  4 土佐光茂の古典復興
  5 近世やまと絵へ
第二章 「天稚彦草紙絵巻」と室町土佐派絵巻の展開
  1 夢幻と洗練
  2 土佐行広から土佐広周へ
  3 土佐広周から土佐光信へ
  4 簡潔な美意識
第三章 足利義教と美術-北山と東山をつなぐ
  1 室町殿の信仰と絵巻
  2 室町殿コレクションの和と漢
  3 義教と「誉田宗廟縁起絵巻」
  4 聖徳太子・達磨大師・周文
  5 義教時代の爛熟と規範形成
第四章 『看聞日記』にみる唐絵の鑑定と評価
  1 玉阿と頓書記
  2 唐人入洛と唐物ブーム
  3 「唐人入京図」と「漢」の室礼
  4 唐絵評価をめぐる騒動
  5 唐絵鑑定と吉凶
  6 曖昧な鑑定
第Ⅲ部 土佐光信論-空間と心理
第一章 十五世紀絵画のパースペクティブ-土佐光信のリアリズム
  1 舞楽のリアリズム
  2 景観のリアリズム
  3 肖像のリアリズム
  4 「ありのまま」を描く意味
第二章 「槻峯寺建立修行縁起絵巻」と修験のランドスケープ
  1 細川政元と修験
  2 愛宕山縁起の移植
  3 霊山の発見と本尊の出現
  4 霊場の姿と山の験力
  5 修験のランドスケープ
  6 「槻峯寺建立修行縁起絵巻」から「大覚寺縁起絵巻」へ
  7 大覚寺と月峯寺
  8 絵巻の中世から近世へ
第三章 ハーバード本「源氏物語画帖」の空間構成
  1 ハーバード本の出現
  2 瀬戸内の輝く海面
  3 都市景観と「洛中洛外図屛風」
  4 奥行き空間の創出
  5 俯瞰と心理
第四章 「地蔵堂草紙絵巻」の心理表現
  1 土佐光信と小絵の時代
  2 タイムスリップの物語
  3 土佐光信の趣向
  4 心理の表出
  5 淡雅なる余韻
第五章 土佐光信のコミュニケーション-絵師と画料をめぐって
  1 古画か新図か
  2 四天王寺西門壁画と法隆寺の宝珠
  3 中御門宣胤の「阿弥陀・不動図衝立」
  4 画料の返還を申し出る土佐光信
  5 画料か霊験か
第Ⅳ部 戦国時代やまと絵論-都鄙の風景
第一章 「清水寺縁起絵巻」の空間と国土
  1 征夷大将軍の絵巻
  2 遷都の足跡と南都北嶺
  3 征夷と国土
  4 都鄙の往還
  5 境内と洛中洛外
  6 東山の彼方にひろがる東国
第二章 室町・戦国時代の西湖憧憬-旅する眼に映った日本の「西湖」
  1 土佐光信が描いた林和靖「西湖放鶴図」
  2 土佐光信の和漢融合
  3 大宰府・称名寺・天橋立・広沢池
  4 「桑實寺縁起絵巻」に描かれた「西湖」
  5 連歌師宗牧が見た近江の「西湖十境」
  6 水景の文雅と信仰
第三章 土佐国綱兄弟筆「涅槃図」と土佐派の分流
  1 土佐行広系「涅槃図」
  2 軸木の墨書
  3 桃山時代の土佐派へ
第四章 「酒飯論絵巻」のなかの中世
  1 三つ巴の論争
  2 宗論の絵巻化
  3 中世初期の病と食
  4 六道輪廻のなかの飲食
  5 青蓮院という磁場
第五章 「日蓮聖人註画讃」の転写系統とスペンサー本の位置
  1 黒川真頼旧蔵本
  2 「日蓮聖人註画讃」の二系統
  3 スペンサー本と諸本比較
  4 狩野元信周辺の画風
第六章 「道成寺縁起」の成立圏-湯河氏と南都絵所の関与をめぐって
  1 室町初期の先行作
  2 南都絵所の様式
  3 南都絵所の系譜と享禄・天文期の琳賢
  4 道成寺と湯河氏、そして南都の工人たち
  5 足利義昭と「日本無双の緑起」
  6 現代に生きる最後の中世絵巻
第七章 やまと絵屛風の変容-室町から桃山へ
  1 みがきつけ屛風と「和」の空間
  2 空間を演出する光
  3 浜松・花鳥・日月
  4 古典文学主題の興隆
  5 やまと絵屛風の桃山的変容