吉田 純子/著 -- 阿吽社 -- 2017.3 -- 909.3

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閲覧室 /909.3/ヨ/ 117021717 成人一般 可能 iLisvirtual

資料詳細

タイトル アメリカ思春期文学にみる<少年の旅立ち>
タイトルカナ アメリカ シシュンキ ブンガク ニ ミル ショウネン ノ タビダチ
副書名 ハック,オズ,ライ麦畑,ゲド戦記から現代文学まで
著者 吉田 純子 /著  
著者カナ ヨシダ ジュンコ
出版者 阿吽社
出版年 2017.3
ページ数 273p
大きさ 21cm
一般件名 児童文学 , 小説(アメリカ) , 男性(文学上)
ISBN13桁 978-4-907244-29-3 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
言語 jpn
分類記号 909.3
内容紹介 アメリカの19~21世紀の代表的思春期文学を取りあげて、主人公に体現される男らしさがどのようなイデオロギーをもち、国家アメリカの男性性とどう関連しているかを、作品発表当時の社会・文化的文脈において読み解く。
著者紹介 立命館大学大学院文学研究科修士課程修了。神戸女学院大学、立命館大学及び同大学院で非常勤講師。著書に「アメリカ児童文学家族探しの旅」「新・家族さがしの旅」など。

目次

序章-まえがきに代えて
  本書のテーマ
  各章の概要について
  思春期とは?
  思春期文学とは?
  「男」は作られる
  アメリカの物語
  イデオロギー教化装置
第Ⅰ部
第1章 オズの悩める男たち
  アメリカの基準点
  多様な『オズ』の解釈
  「旅」をジェンダー化する
  ドロシーの旅の意義
  かかしの自信喪失
  ブリキ仮面の男の悩み
  期待の重圧に苦しむライオン
  ペテンの暴露を恐れるオズ
  ボームの立ち位置
第2章 文明・野性の境界線上の少年たち
  セルフ・メイド・マンのトウェイン
  グッド・バッド・ボーイ
  共同体における監視と処罰
  境界線
  逸脱する身体
  他者の同化と隔離
  ハックの批判精神
  文明の外に「ずらかるlight out」
第3章 猿に育てられたイギリスの貴公子
  「アメリカの神話」は続く
  『類猿人ターザン』のジェンダー
  野性を母とする少年
  男の闘争本能
  春機発動期のターザン
  原始の女ジェーン
  夢追い男バロウズ
第4章 影を殺した少年
  50年代-<皮肉>の時代
  「平和の園」再訪
  デヴォンの森の「アダム」
  幸運なる転落
  少年が男になるとき
  イノセンスの終わり
  内なる他者との遭遇
  姿の見えない敵
  不安・皮肉・逆説の男性性
第Ⅱ部
第5章 <ゲド戦記>の男らしさの見直し
  はじめに-「ゲド戦記」シリーズについて
  男性性の影との戦い
  アメリカを覆う影
  女性性と触れあう
  対話による男らしさの再構築
  ゲドが代役に出会う
  新しい男の予兆
  70年代アメリカ
  再生する男らしさ
第6章 男らしさの<宇宙>をかき乱す
  男子校が戦場となるとき
  「男性運動Men's Movement」の始まり
  男らしさの探求物語
  体制順応主義への反抗
  権力と男らしさ
  「従順な身体」の作り方
  仮面を被った男
  アメリカン・ヒーローの死
  大地の母は死んだ
第7章 チーズになった少年
  はじめに-『ぼくはチーズ』について
  三つの物語
  「ナンバーズ」ゲーム
  なぜ「ナンバーズ」をするのか
  もう一つの物語
  9.11以降の文脈で読む『ぼくはチーズ』
第8章 アジア、女性と和解する
  父・息子の物語
  闇の奥へ
  漁夫王の城
  モルガン・ル・フェ
  聖杯の仲間
  もう一人のブロートン
  絆の回復
第Ⅲ部
第9章 スラムからヴェトナム戦争へ
  類型的黒人像
  視界不良
  無力さ
  銃をめぐる葛藤
  もう一人の自分
  生き延びて
  国家の物語
  傍観者
  天使の戦士
第10章 ゲイとして生きる
  はじめに-同性愛の男性性
  父親探しの「旅」
  心理療法的な出会い
  「金色の繭」が破れるとき
  『キャッチャー・イン・ザ・ライ』との比較
  映画『顔のない天使』との違い
  90年代アメリカでゲイに目覚める
  制度の言説が作るゲイ
  物語による解放
第11章 障害者として生きる
  はじめに-自閉症を描いた小説
  なぜ自閉症を取りあげるのか
  自閉症の動物科学者テンプル・グランディン
  救貧農場に囲いこまれた障害者たち-『北極星をめざして』
  「あばれモン」と呼ばれた男
  一人前になりたかった男
  障害者を抱える家族-『白鳥の夏』
  喪失と回復の物語
  自閉症の人は自分を語れるのか
あとがき-セルマからストーンウォールまで“From Selma to Stonewall”