川邊 岩夫/著 -- 名古屋大学出版会 -- 2015.8 -- 436.3

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資料詳細

タイトル 希土類の化学
タイトルカナ キドルイ ノ カガク
副書名 量子論・熱力学・地球科学
著者 川邊 岩夫 /著  
著者カナ カワベ イワオ
出版者 名古屋大学出版会
出版年 2015.8
ページ数 9,436p
大きさ 27cm
一般件名 希土類元素
ISBN13桁 978-4-8158-0814-3 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
言語 jpn
分類記号 436.3
内容紹介 ミクロとマクロの共通原理を体系的・定量的に記述。分光学と熱力学をつなぐ化学的基盤を、基礎事項も含めて丁寧に解説する。レアアースを統一的に把握し、理解を一新する書。
著者紹介 1949年三重県生まれ。名古屋大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。同大学名誉教授。理学博士(名古屋大学)。

目次

序章 希土類元素,ランタニド,ランタノイドと周期表
  0-1 希土類元素とランタニド
  0-2 ランタニドとランタノイド
  0-3 用語法よりも重要な電子配置<Xe>4fq
  0-4 渦巻き型周期表とランタニド
第Ⅰ部 希土類元素の量子化学
第1章 3価ランタニド・イオンの基底LS項とJレベル
  1-1 閉殻および開殻の電子配置
  1-2 全角運動量(L)と全スピン角運動量(Ŝ):LS項
  1-3 (4f)[2]配置におけるLS項の分類
  1-4 LとŜの合成とスピン・軌道相互作用
  1-5 Jレベルの例:(4f)[2]配置におけるLS項のJレベル
  1-6 Hundの規則と基底LS項,基底Jレベル
  1-7 Landéの間隔則
  1-8 3価ランタニド・イオンの基底LS項と基底Jレベル
第2章 開殻電子配置(nl)qを持つ原子・イオン系列のイオン化エネルギー
  2-1 (nl)q→(nl)q-1に対応するイオン化エネルギー
  2-2 (2p)qと(3p)q系列におけるイオン化エネルギー
  2-3 (3d)qと(4f)q系列におけるイオン化エネルギー
第3章 (np)q電子配置におけるLS多重項のエネルギー準位
  3-1 (np)電子間の電子反発エネルギー
  3-2 電子反発エネルギーの配置平均値
  3-3 配置平均エネルギーとLS項エネルギー準位
  3-4 LS多重項の構造:配置平均エネルギー基準の重要性
  3-5 Diekeダイアグラムの意味するもの
第4章 多重項理論と(nl)q電子配置の原子・イオンのイオン化エネルギー
  4-1 (np)q配置におけるイオン化エネルギーの場合
  4-2 (nd)q配置におけるイオン化エネルギーの場合
  4-3 (nf)q配置におけるイオン化エネルギーの場合
  4-4 Jレベル分裂の効果と(4f)q系列に対するJørgensenの理論式
  4-5 RSPETとHund則の量子力学的解釈
  4-6 化合物や凝縮相における3価ランタニド・イオンの電子状態
  4-7 ランタニド(Ⅲ)化合物・錯体の熱力学量への反映
  4-8 (3d)q系列化合物と(4f)q系列化合物の類似性
  4-9 (3d)q系列化合物の配位子場理論と電荷移動型絶縁体化合物
第5章 イオン化エネルギーとランタニド・スペクトル
  5-1 ランタニドの基底電子配置とイオン化エネルギー
  5-2 Ln金属の電子配置とLn(Ⅲ)化合物の標準生成エンタルピー
  5-3 Ln(Ⅲ)化合物・錯体間の反応のエンタルピー変化と電子配置
  5-4 ランタニド・スペクトル:ΔE(4f→5d)
  5-5 補正した第3イオン化エネルギーと第4,第5イオン化エネルギー
  5-6 ランタニドの異常酸化数と第3,第4イオン化エネルギー
第Ⅱ部 Jørgensen理論の再検討
第6章 refined spin‐pairing energy theoryの問題点
  6-1 Slater-Condon-Racah理論のパラメーターと有効核電荷の関係
  6-2 (4f→4f)スペクトル・データから推定される遮蔽定数
  6-3 X線スペクトルにおけるスピン2重線
  6-4 X線スペクトル・スピン2重線から推定される遮蔽定数
  6-5 イオン化の過程で変化する有効核電荷
第7章 ランタニド四組効果とJørgensenの理論式
  7-1 溶媒抽出系におけるランタニド四組効果
  7-2 溶媒抽出系でのLn(Ⅲ)の反応と4f電子配置エネルギー変化
  7-3 配位子交換反応と四組効果
  7-4 四組効果をめぐる有効核電荷とRacahパラメーターの関係
  7-5 Peppardらの四組効果とNd化合物での電子雲拡大系列
第8章 改良したrefined spin‐pairing energy theoryとその応用
  8-1 (4f)q+1→(4f)qに補正した第3イオン化エネルギー
  8-2 補正した第3イオン化エネルギーの解析
  8-3 ランタニド金属の蒸発熱
  8-4 イオン化エネルギーの和(ΣIi=I1+I2+I3)
  8-5 (4f)q→(4f)q-1の第4イオン化エネルギーとその解析
第9章 Ln金属のX線光電子スペクトルと逆光電子スペクトル
  9-1 X線光電子スペクトルと逆光電子スペクトル
  9-2 ランタニド金属のXPS・BISスペクトルの解析
  9-3 ランタニド金属XPS・BISの終状態
  9-4 RSPETとランタニド金属のXPS・BISをめぐる議論
  9-5 ランタニド化合物のXPS・BISと価数揺動
第Ⅲ部 Ln2O3とLnF3の結晶に見る四組効果
第10章 ランタニド(Ⅲ)イオン半径の四組効果
  10-1 cubic‐Ln2O3の格子定数とLn(Ⅲ)のイオン半径
  10-2 ランタニド収縮と四組効果
  10-3 原子半径のランタニド収縮と四組効果との比較
  10-4 Ln2O3の格子エネルギーとBorn-Haberサイクル
  10-5 イオン性結晶の点電荷モデルとLn2O3の格子エネルギー
  10-6 格子エネルギーの相対値とLn2O3における多形の問題
第11章 LnF3系列の結晶構造と格子エネルギー
  11-1 LnF3系列での結晶構造変化
  11-2 LnF3系列の格子エネルギーとΔH0f(LnF3)
  11-3 LnO1.5,LnF3,Ln3+(g)のΔH0fと四組効果の相互関係
第12章 LnO1.5とLnF3の熱力学量が反映する電子雲拡大効果
  12-1 LnF3とLnO1.5のΔH0f,298の差によるRacahパラメーターの相違
  12-2 Nd(Ⅲ)化合物におけるRacahパラメーターの相違:電子雲拡大系列
  12-3 LnO1.5とLnF3の格子エネルギーにおける四組効果の有無
  12-4 化合物・錯体の構造と電子エネルギーの連関
  12-5 4f電子数とLn-O距離:どちらが本質的な説明変数か
  12-6 非金属固体の電子論とイオン結晶モデル
  12-7 f→f遷移スペクトルの圧力誘起赤色変位と電子雲拡大効果
  12-8 熱膨張によるRacahパラメーターの増大:LnO1.5系列の場合
第Ⅳ部 熱力学量が示す系列内構造変化と四組効果
第13章 Ln(Ⅲ)化合物・錯体系列の構造変化と四組効果(Ⅰ)
  13-1 Ln(C2H5SO4)3・9H2Oの溶解反応:ΔH0s,ΔS0s,ΔG0s
  13-2 LnCl3・nH2Oの溶解反応:ΔH0s,ΔS0s,ΔG0s
  13-3 Ln3+(aq)系列での水和状態変化
  13-4 Ln(Ⅲ)-(dipic)3,Ln(Ⅲ)-(diglyc)3錯体の生成定数
  13-5 ΔSrの四組効果と電子エントロピー
  13-6 同じ極性を持つΔHとΔSの四組効果と振電相互作用
  13-7 相関するΔHとΔSの四組効果:Debye特性温度の系列変化
  13-8 定圧熱容量CpでつながるΔHとΔS
  13-9 Ln(Ⅲ)化合物の極低温Cp,磁気相転移,結晶場分裂準位
第14章 Ln(Ⅲ)化合物・錯体系列の構造変化と四組効果(Ⅱ)
  14-1 LnCl3系列における構造変化とLnCl3の熱力学量
  14-2 Ln(OH)3系列に対するΔH0f,S0 298のデータ
  14-3 Ln‐DTPA(aq)とLn‐EDTA(aq)の錯体生成反応
  14-4 二種類のLn(Ⅲ)溶存錯体の共存:Ln‐EDTA(aq)とLn3+(aq)の系列
  14-5 Ln3+(aq)の標準部分モル・エントロピー
第15章 Ln3+イオンの水和エンタルピーと水和エントロピー
  15-1 水和エンタルピー
  15-2 ΔHabs.hyd(H+)の値
  15-3 水和エントロピーとSackur-Tetrode式
  15-4 Ln3+イオンの水和とその熱力学量
  15-5 最小エネルギー配置の現実物質系と古典論的極限
第16章 熱力学量の四組効果から求めた電子雲拡大系列
  16-1 エンタルピー四組効果のRSPET解析
  16-2 エントロピー四組効果のRSPET解析
  16-3 ΔGrの四組効果:ΔHrとΔSrで相関する四組効果の問題
  16-4 Ln(Ⅲ)金属のRacahパラメーター(Ⅰ):ΔH0fのRSPET解析
  16-5 Ln(Ⅲ)金属のRacahパラメーター(Ⅱ):ΔS0fのRSPET解析
  16-6 Ln3+(aq)→Ln(g)の昇位エネルギーP(M)
第17章 Ln(Ⅲ)化合物とLn金属の融解:その熱力学量の四組効果
  17-1 Ln(Ⅲ)化合物・Ln金属の融解の熱力学量
  17-2 LnF3とLnCl3系列の融解の熱力学量
  17-3 「下に凸な四組効果」を示すLnF3とLnCl3の融点の系列変化
  17-4 Ln金属系列の融解の熱力学量と四組効果
  17-5 Ln2O3系列の融解の熱力学量と四組効果
  17-6 改良RSPET式とLn(Ⅲ)化合物,Ln(Ⅲ)金属系列の融解の熱力学量
第Ⅴ部 地球化学における四組効果
第18章 海洋と海洋性堆積岩における希土類元素
  18-1 海水のREE存在度パターンが示す四組効果
  18-2 深海マンガン団塊と石灰岩のREE存在度パターン
  18-3 海水におけるREE(Ⅲ)炭酸錯体
  18-4 Ln(Ⅲ)炭酸錯体安定度定数の「Gdでの折れ曲がり」とその波紋
  18-5 Fe水酸化物共沈澱法によるLn(Ⅲ)炭酸錯体生成定数
  18-6 Ln(OH)3・nH2Oと個別炭酸錯体との分配反応:実験系と現実海水系との比較
第19章 火成作用における希土類元素と四組効果
  19-1 火成岩マグマにおける希土類元素の分別と四組効果
  19-2 四組効果を示す希土類元素鉱物のREE存在度とRSPET式
終章 希土類元素の化学・地球化学の原理
  終-1 RSPETの新展開とMoeller(1973)の総説
  終-2 RSPETと希土類元素地球化学