浅野 麗/著 -- 翰林書房 -- 2014.4 -- 910.268

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閲覧室 /910.268/ナカ/ 116892878 成人一般 可能 iLisvirtual

資料詳細

タイトル 喪の領域
タイトルカナ モ ノ リョウイキ
副書名 中上健次・作品研究
著者 浅野 麗 /著  
著者カナ アサノ ウララ
出版者 翰林書房
出版年 2014.4
ページ数 286p
大きさ 22cm
ISBN13桁 978-4-87737-365-8 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
言語 jpn
分類記号 910.268
内容紹介 1970年代半ばから1980年代半ばまでに至る、およそ10年のあいだに発表された中上健次の中篇小説と長篇小説を取り上げ、「他者」「共同体」「倫理」といった主題系と深く切り結ぶそれらの作品を系譜的に読み解く。
著者紹介 1977年愛知県生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了。博士(文学)。青山学院大学、亜細亜大学、共立女子短期大学等、非常勤講師。

目次

第一章 《被傷者》の苛立ち
  1 初期小説をめぐって-自死した兄の記憶
  2 「補陀落」(1)-読解の意義
  3 「補陀落」(2)-「姉」の語りの位相
  4 「補陀落」(3)-「姉」の語りのシステム
  5 「補陀落」(4)-「ぼく」のまなざしが示唆する断絶
  6 「岬」-《殺されかけた子供》の抵抗
第二章 誤読の効能
  1 《不在の権力》をめぐる二重の闘争
  2 《女語り》と秋幸の距離
  3 《「路地」と龍造》・《物語と「伝説」》
  4 誤読の気づきという転回
第三章 《交感》の実践を/として書くこと
  1 《被差別部落民》という主体
  2 「私」と《語り物》との出遭い
  3 《被差別者》のパッシングをめぐる思考と、《物語》を語る資格の模索
  4 《被差別が差別する力》に巻き込まれること
  5 《交感》を再演する「私」を書くこと
第四章 《解放》の論理に根ざす文化の構想
  1 《部落解放運動》と《老婆の語り》をめぐる中上の発言
  2 オリュウノオバ表象をめぐって
  3 「路地」とはいかなる場か
  4 《文化》・《解放》・《抵抗》
第五章 危機に立つ《小説家》
  1 《小説の悪を認識すること》と《物語への欲望》のあいだで
  2 《路地を書くこと》と《自分を殺すこと》との連関
  3 共同性において《書く》主格の成立
  4 《不死》の位相
第六章 死者と共同体
  1 《路地に対抗する原理》と《新しい路地構想》を読むこと
  2 ヨシ兄の幻想・鉄男の話から秋幸への作用
  3 秋幸に対する「水の信心」の作用/龍造の「路地」観との差異
  4 「ジンギスカン」としての生成変化
第七章 「路地」なき後のアイデンティティ
  1 老婆たちの《語り》-作為-のエネルギー
  2 老婆らの「物語」と「信心」
  3 ツヨシと「路地」文化
  4 「路地」なき後のアイデンティティの行方
第八章 妄想の反復・亡霊の期待
  1 「路地」解体以後に語る者たち
  2 複数の語り手の交錯
  3 共同体の否認と、離脱の擁護
  4 亡霊の期待と妄想
  5 妄想から生れる《他者》