丁 貴連/著 -- 翰林書房 -- 2014.2 -- 910.268

所蔵

所蔵件数は 1 件です。現在の予約件数は 0 件です。

所蔵場所 請求記号 資料コード 資料区分 帯出区分 状態
閲覧室 /910.268/クニ/ 116886466 成人一般 可能 iLisvirtual

資料詳細

タイトル 媒介者としての国木田独歩
タイトルカナ バイカイシャ ト シテ ノ クニキダ ドッポ
副書名 ヨーロッパから日本、そして朝鮮へ
著者 丁 貴連 /著  
著者カナ チョン キリョン
出版者 翰林書房
出版年 2014.2
ページ数 484p
大きさ 22cm
一般件名 朝鮮文学-歴史
ISBN13桁 978-4-87737-362-7 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
言語 jpn
分類記号 910.268
内容紹介 韓国近代文学の「起源」に深くかかわる国木田独歩を手がかりとして、彼が植民地下の朝鮮文壇に受容された背景とその特徴、韓国文学にもたらした意味について検証。同時に「媒介者」としての日本近代文学の姿を浮き彫りにする。
著者紹介 1960年ソウル生まれ。筑波大学大学院文芸言語研究科博士課程修了。博士(文学)。宇都宮大学国際学部教授。専門は比較文学比較文化、日本文学、韓国文学。

目次

序章 朝鮮文壇と独歩
  1 東アジアの近代と日本留学
  2 一九一〇年代の日本文壇と独歩ブーム、そして留学生
  3 李光洙の啓蒙文学と独歩の「少年もの」
  4 『創造』派の文学運動と独歩の一人称小説
  5 一九三〇年代のジャーナリズムと独歩
  6 植民地朝鮮の国語教育と日本文学ブーム
  7 時代を越え、世代を越えて読み継がれる独歩文学
  8 本書の目的と構成
第Ⅰ部
第一章 恋愛、手紙、そして書簡体という叙述形式
  1 自由恋愛と近代化
  2 「おとづれ」と「幼き友へ」
  3 方法としての書簡
  4 書簡体小説という叙述形式と日本近代文学
  5 自由恋愛の実践と書簡体小説ブーム
第二章 一人称観察者視点形式と「新しい人間」の発見
  1 新しい文学の「見本」としての独歩文学
  2 独歩の一人称の語り手から田榮澤の一人称観察者視点形式へ
  3 「春の鳥」と「白痴か天才か」
  4 子供の発見
  5 一人称小説のブームと他者への関心
第三章 近代文学の「成立」と枠小説、そして「恨」
  1 媒介者としての独歩文学
  2 枠小説「ペタラギ」の源泉としての「女難」
  3 「近親相姦」というモチーフと儒教文化
  4 モチーフとしての運命観
  5 近代文学の成立と「恨」
第Ⅱ部
第四章 もう一つの「少年の悲哀」
  1 「追憶文学の季節」と独歩の「少年もの」
  2 李光洙の「少年もの」
  3 時代の「悲哀」としての「少年の悲哀」
  4 少年の「悲哀」の背後に潜む社会の陰影
  5 もう一つの「少年の悲哀」
第五章 愚者文学としての「春の鳥」
  1 ワーズワースの詩心から白痴教育へ
  2 「白痴」少年、六蔵と七星
  3 白痴教育
  4 愚者文学としての「春の鳥」
  5 「白痴」と「天才」、そして近代化
第六章 帰郷小説が映し出す様々な故郷
  1 故郷、異郷、そして帰郷小説
  2 様々な「故郷」
  3 「故郷」からの脱出
  4 「故郷」の中の女たち
  5 異郷としての釜山
  6 鉄道と汽車旅行、そして帰郷小説という新しい小説ジャンル
第七章 傍観者としての語り手
  1 「貧民」の発見
  2 都市下層民の憂鬱
  3 傍観された貧困の現場
  4 <新中間層>と中流意識、そして傍観者へ
  5 新たな都市文学の台頭
第八章 <余計者>と国家
  1 近代社会と知識人
  2 「号外」と「留置場で会った男」
  3 <余計者>という知識人の像
  4 <余計者>と他者意識、そして国家
  5 植民地と知識人小説の流行
終章 もう一つの小民史
  1 日清戦争とジャーナリズム、そして従軍文士
  2 「旅順虐殺」と独歩
  3 日清戦争の事実を知らされていない人たち
  4 日清戦争と異国体験、そして朝鮮
  5 日清戦争直前の日本の現実と貧民窟ルポルタージュ
  6 新たな出稼ぎの場となった日清戦争
  7 もう一つの「小民史」
  8 独歩文学へのオマージュ