伊藤 大輔/著 -- 名古屋大学出版会 -- 2011.12 -- 721.0242

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資料詳細

タイトル 肖像画の時代
タイトルカナ ショウゾウガ ノ ジダイ
副書名 中世形成期における絵画の思想的深層
著者 伊藤 大輔 /著  
著者カナ イトウ ダイスケ
出版者 名古屋大学出版会
出版年 2011.12
ページ数 22,412,12p
大きさ 22cm
一般件名 肖像画-歴史
ISBN13桁 978-4-8158-0682-8 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
言語 jpn
分類記号 721.0242
内容紹介 院政期に雰囲気を一変させる絵巻物との連続性から、似絵や「明恵上人樹上坐禅像」など、鎌倉時代の肖像画を捉えることで、その深層に形成された思想の言葉を明るみに出す。

目次

緒言
  はじめに
  一 「明恵上人樹上坐禅像」の研究史の反省
  二 政治哲学としての似絵
  三 絵巻物との言説内容の類似
  四 鎌倉時代肖像画の精神的基盤
  五 言葉と隔絶した表現世界
  六 研究の要点
序章 絵巻物から肖像画へ
  一 絵巻物研究における文化覇権論
  二 絵巻物研究における「秘められた政治」論
  三 院政期絵巻物研究の問題点
  四 絵巻物に映る社会の情態
  五 「信貴山縁起絵巻」の特質
  六 自己意識の形象化としての似絵
  七 「明恵上人樹上坐禅像」の特質
  八 思想的実践としての肖像画
第Ⅰ部 絵巻物に見る転換の諸相
第1章 神仙山水としての「信貴山縁起絵巻」
  一 絵巻の時代背景
  二 説話の構造
  三 視覚形式における神仙山水的性格
  四 「信貴山縁起絵巻」から「伴大納言絵巻」へ
第2章 絵画との対面の感覚
  一 現状について
  二 時空間の構造
  三 掛幅画を見るときの経験
  四 錯簡説について
  五 造形の論理
  六 常の世界と超の世界
第3章 国家の神話としての「伴大納言絵巻」
  一 御霊絵巻論について
  二 文化覇権論について
  三 説話構造の分析
  四 超越的存在の出現
  五 徳治と法治の提示
  六 神話としての絵巻
  七 公正の理念の提示
第Ⅱ部 似絵考
第4章 似絵以前の平安貴族の肖像観
  はじめに
  一 上位貴族の肖像作例
  二 上位貴族の肖像観
  おわりに
第5章 生身性と肖似性
  一 肖像の起源説話
  二 生身性と肖似性
  三 平安貴族の肖像観
  四 九条兼実の似絵忌避
  五 個体差の否定的価値
  六 肖似性への忌避感
  七 外形描写の意味
  八 行事絵の公的性格
  九 藤原隆信の活動の場
第6章 似絵と尚歯会図
  はじめに
  一 尚歯会図との関係
  二 尚歯会図の実相
  三 隆信様式の復元
第7章 「似絵詞」に見る似絵
  はじめに
  一 「似絵詞」について
  二 「似絵詞」と尚歯会図
  三 似絵という名付け
  おわりに
第8章 似絵の時期区分
  はじめに
  一 「似絵詞」の意義
  二 「似絵詞」の思想
  三 「似絵詞」の創作主体
  四 似絵の後先
  おわりに
第9章 初期似絵から中期似絵へ
  一 九条良平の位置の問題
  二 異時同図法と「中殿御会図」
  三 音声のテーマ
  四 コンテクストの問題
第10章 後期の似絵
  はじめに
  一 現状と研究史
  二 第一段階の成立過程
  三 後嵯峨による画巻制作の意図
  四 第二段階の成立過程
  五 九名の法体影の比定
  六 仁和寺御室歴代画像の付加の理由
  おわりに
補論 東アジア肖像画の標準
第Ⅲ部 「明恵上人樹上坐禅像」考
第11章 造形の特徴と宋画の摂取(1)
  一 研究史の問題
  二 画面構成について
  おわりに
第12章 造形の特徴と宋画の摂取(2)
  はじめに
  一 「明恵上人樹上坐禅像」の画面の成り立ち
  二 彩色と筆線
  三 山水人物表現と筆線の関係
  おわりに
第13章 東アジア的な図像の伝統
  はじめに
  一 樹下に坐禅する僧侶の図像の伝統について
  二 遁世僧の図像の系譜
  三 もう一つの遁世僧の図像
  おわりに
第14章 華厳の思想的実践としての肖像画
  はじめに
  一 羅漢図説の論拠の検討
  二 「明恵上人樹上坐禅像」の主題の検討
  三 事的世界観のシンボリズム
  四 言葉以前ゆえの映像世界
  五 羅漢図説発生の背景の検討
  おわりに
補論 多様な肖像世界
結語