森 真一/著 -- 筑摩書房 -- 2010.2 -- 361.4

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所蔵場所 請求記号 資料コード 資料区分 帯出区分 状態
しょこ /361/モ/ 120782800 児童一般 可能 iLisvirtual

資料詳細

タイトル 「お客様」がやかましい
タイトルカナ オキャクサマ ガ ヤカマシイ
叢書名 ちくまプリマー新書
著者 森 真一 /著  
著者カナ モリ シンイチ
出版者 筑摩書房
出版年 2010.2
ページ数 180p
大きさ 18cm
一般件名 社会心理学 , 消費者
ISBN13桁 978-4-480-68831-6 国立国会図書館 カーリル GoogleBooks WebcatPlus
言語 jpn
分類記号 361.4
内容紹介 現代の日本社会は「お客様=神様」として扱うが、客の不満はゼロになるどころか増大し、自主性の欠如や拝金主義、暴力につながっていく。「お客様」社会の問題点と脱却法を考える。
著者紹介 1962年生まれ。関西学院大学大学院社会学研究科博士課程修了。皇學館大学文学部コミュニケーション学科教授。専門は理論社会学、現代社会論、消費社会論。著書に「かまわれたい人々」など。

目次

はじめに
第一章 「お客様」社会先進国ニッポン
  1 消費者社会としての日本社会
  消費者社会とは/「上質な」ひとかどうかは、消費の仕方できまる/なんでもかんでも商品になる社会
  2 「お客様」社会としての日本社会
  丁重にあつかうべき存在としての消費者/消費者ではなく「お客様」/あくまでマニュアル
  3 広がる「お客様」化
  生徒は「お客様」/大学生も「お客様」/医療の「お客様」化/社会福祉の「お客様」化
  4 「お客様」になれば認めてもらえる
  買い物依存症/「私」を認めてくれるひとは近所にいない/会社にもいない/「私を認めてくれる」店員/承認を売買する
第二章 「お客様」による暴力はなぜ増える?
  1 「お客様」社会は問題か?
  「改善」の成果/意図と結果はかならずしも一致しない
  2 「お客様」は「荒ぶる神様」
  コンビニの客による暴力/理由にならない理由/電車の乗客による暴力/飛行機の乗客による暴力
  3 「お客様」が暴力的になる理由
  客は常連と認められたい/貴重な苦情を言ってやっているという意識/ミステリーショッパー/「お客様」の「聖なる欲望」/「相対的不満」を感じやすくする状況/欲求不満が暴力を正当化する/ストーカーを増やす「お客様」社会
第三章 客を客とも思わない店員-労働者から誇りを奪う「お客様」社会
  1 「お客様」社会の逆説
  態度の悪い店員/失礼な店員は増えたのか
  2 スーパーと職人
  『スーパーの女』/「スーパーに必要なのは、職人よりも、技術者なのよ」/職人に取って代わったもの/職人の追放とマニュアルの導入
  3 スーパー、職人、マニュアル
  スーパーの特徴/職人の特徴/マニュアルの特徴
  4 失礼なバイト店員が増えた理由
  従業員を機械化する「マニュアル」/客を見下すしかプライドが守れない
  5 失礼な職人的店員が増えた理由
第四章 教育の「お客様」社会化は、学ぶひとを不幸にする
  1 学校教育の「お客様」社会化
  授業が終わると、生徒に「ありがとうございました」
  2 「お客様」社会化した大学の現状
  授業は商品、学生は「お客様」/オープンキャンパス/FDという「お客様」満足度アップの努力
  3 「お客様」社会化した大学の問題点
  傲慢で受け身的な学生/どのような「得」があるのか?/「してもらう」ための「保険」
  4 学校教育の「お客様」社会化のマッチポンプ
  キャリア開発/「お客を怒らせないコミュニケーション能力」/受験のマッチポンプ
第五章 「お客様」意識からの脱却
  1 不満排除システム
  「悲劇排除システム」/「あらゆる不幸を根絶します!」/「お客様」社会は「不満排除システム」/ビジネス以外の領域も「お客様」社会化/家庭の「お客様」社会化
  2 不満排除の逆説的帰結
  不満だらけの社会/不満排除がもたらしたJR脱線事故
  3 せいぜい「お客さん」
  徹底的にしぼりとろうとする「お客様」社会/「お客様」の二重の意味/苦情の言い方/拝金主義とシステム化のこっけいさ/「お客様」意識からどう脱却すればいいのか
あとがき